小さな○○の歌!

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阿部 由美
(東京都)

タイプ/職種
青年海外協力隊
音楽
派遣国
アジア
モンゴル セレンゲ県 スフバートル市
一言メッセージ
広い宇宙の数ある一つ、青い地球の広く寒いモンゴルで。音大サックス専攻卒、元さいたま観光大使、元小学校音楽教諭の音楽隊員奮闘中。

 

小さなモンゴル生活の歌(後編)

2019.04.19

前中後編にわけてお届けしている、派遣されてから今日までの振り返り!今回の後編で最後です。今回は1校目の巡回先である第1学校で、前回書いた式典以降、音楽教員としてどのような活動をしてきたかお話します。

私は、半年間1人の女性の音楽担当教員と活動をしていました。勤続年数27年のベテランの先生です。はじめの1カ月ほどは授業見学。モンゴルの音楽教育がどのように行われているか、学校自体がどのように運営されているかの情報収集をしていました。授業を見学する中で、間違った情報を教えていることがあったり、もっとこういう風に教えたほうがいいと思ったりしたことはその都度伝えていきました。

モンゴルの学校に慣れてきたと思ったころ、とある問題が…

“突然授業を頼まれる”ということが多発してきたのです。日本からモンゴルにきて、3カ月。言葉がだいぶしゃべれるようになってきたにしても、1人で授業をするのは難しく、もちろん準備も必要です。ですが、突然「ここからここまで教えておいて!」と言い残し、先生がいなくなってしまいます。生徒とともに取り残され、もうやるしかない!!という状況。どうにか拙いモンゴル語で授業をしていました。

その後も同じように、急に授業をふられることが多々あったので、どんな状況でも対応できるように、音楽の授業内で使えそうなモンゴル語を必死に勉強し、急な授業対応に答えて授業するのにも慣れていきました。もちろん、子どもが騒がしくなったり、喧嘩が始まってしまったり、上手くいかないこともたくさんあり、準備せずに1人で授業をするのは難しいことは常に同僚に伝えていました。しかし、なかなか状況は変わりませんでした。というのも、モンゴルの学校では授業中に会議が突然入る、子どもや孫が風邪をひいたら授業を休んで病院にいくなどということが少なくありません。そういった背景があるので、この件に関してはその先生が悪いということではなく、学校の制度や働き方自体に課題があると感じています。もちろん、同僚の先生と2人で授業をするのが基本でしたし、完全に私が受け持って、しっかりと準備をして授業をしていたクラスもありました。

この半年間は子どもが成長した瞬間、楽しいと感じているのが伝わるときなど、楽しいこと・嬉しいこともたくさんありましたが、難しいこと、やるせないことに悩み苦しむことも多い時間でした。

半年間、授業に入ったり、市内の学校の音楽教員と話をする中で、この町の音楽教育に関して今感じていることは大きく3つあります。

・1つ目は、モンゴルの音楽の授業では音楽活動をする時間がとても少ない、ということ。ノートに歌詞や教科書の内容を書き写す、ドレミファソラシドを何回も書いたり、繰り返し言ったりして覚えるなどといった時間がとても多いです。

・2つ目は、リコーダーを必修だからやっているという状態になってしまっていること。モンゴルの音楽の授業にリコーダーは4、5年ほど前に必修として導入されています。ですが、教員も知識も少なく技術も低く、生徒たちの中にはリコーダーを買えていない子どももたくさんいるのが現状です。持っていない子どもはリコーダーの時間は座っているだけになってしまっています。教員は必修だから、やらなければいけないから、頑張って授業をしていますが、意味をもたないものになってしまっているのが現状のような気がしています。

・3つ目はそもそもの学校の制度自体に問題がたくさんあるということこれは発展途上な国には多くある問題だと思いますがモンゴルでもあります。もちろん日本にだって問題は多くあります。

上記のように、授業中に先生がいなくなることがあったり、行事があるとその練習や準備のほうが優先となって授業がなくなったり、本来大切にすべき授業がおろそかになることがたくさんあります。人では変えていくことのできない問題もたくさんありますが、自分にできることから少しずつやっていき、この町の音楽教育がほんの少しでもよくなればと思っています。と、いろいろ書きましたが、モンゴルの学校や音楽教育について多くを学び、知ることのできた半年間でした。本来の仕事である教員への指導に関しては、相手がベテランの先生で母と娘のような関係性だったこともあり、なかなか進めるのが難しかったです。

私は、授業をするときは、本当に簡単な内容から教え、何度も復習をし、着実に技術が定着するよう意識して授業をしました。私が授業を担当した子ども達はリコーダーがとても上手になり、できるようになった!という達成感を味わえていたようにみえました。何かをできるようになった!と子どもが実感できているときの表情は本当に素敵だし、成功体験を与えてあげるということが、やはり世界共通で大切なことなのだと思えたのがとてもよかったです。

最初の巡回先ということもあり、与えられたことより学ばせてもらったことのほうが多かったですが、ここでの経験を活かして、今後の巡回先でもできることを自分にできることを考え、頑張っていきます。

以上、今までの振り返りでした。今後はなるべくリアルタイムで日々の活動や生活について書いていければと思います!

それでは! 

Баяртай!(バヤルテイ:さようなら)