Laugh&Health~サムサ、パフタ、ときどき医療~

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浅川 真希乃
(東京都)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
保健師
派遣国
アジア
ウズベキスタン フェルガナ州クバ郡
一言メッセージ
キルギスとの国境近くの農村部で暮らしてます。生活や文化、そしてたまには健康の話などを徒然につづっていきたいと思います

 

春よ来い

2017.06.04

文化

日本の、そして世界のみなさんこんにちは!

ちょっと季節をさかのぼって、今日はウズベキスタンの冬の過ごし方と春の伝統的なお菓子スマラク作りについてお伝えしたいと思います。

ウズベキスタンは夏は50度以上まで気温の上がる日もありますが、
真冬は-10℃以下になることも多々あります。
砂漠の地域では-20℃なんてこともあるそうで、
寒暖差が非常に激しい国の1つです。

夏の間は自宅で栽培した野菜類で彩られる食卓も、
冬の間は夏の間に漬けたピクルスや、根菜類のみになってきます。

ウズベキスタンのインフラでちょっと特徴的なのが、
ガスとお湯の中央配管システムです。
街中をたくさんのパイプが走っていて、
そこを天然ガスが流れていて、家庭では冬の間、そのガスを燃やして暖を取ります。

しかし、私の任地のシュレーデル村にはそのガスの供給がきていません。
村落部のいくつかではガスの供給がなく、
そうした村々では薪や、クメルという炭を水で練って丸めたものを炊いて暖をとります。

そしてそうした村落部で欠かせない暖房器具がサンダルと呼ばれるウズベキスタンのこたつです。
ちゃぶだいの上に布団をかけて、その中に七輪を置きます。
家族みんながこのサンダルの中で生活しているのは、
日本の年末年始の団欒みたいで、体だけでなく心も温まります。

そんな厳しい冬を越え、春も近づいた3月になると
街中でスマラクという春を迎えるお菓子を作り始めます。
小麦粉と小麦をつけた汁を24時間煮込み続けるというこのお菓子。
手間の割りに味はいたってシンプルです。

このお菓子には物語があります。
一昔前、冬の間はまったく作物がとれずに多くの家庭は飢えに苦しんでいました。
飢えた7人の子どもを抱えた母親が、とうとう食べ物がまったくなくなり、
それでも飢えに泣く子どもたちを慰めようと、
大鍋に子どもの数と同じ7つの石を入れ、かき混ぜ続けます。
「今、ごはんができるからね、もうちょっとの辛抱ですよ。」
お鍋の立てるカラカラという音に子どもたちは安心して寝入ってしまいます。
母親はそのまま途方に暮れながら深夜まで、お鍋をかき混ぜ続け、
「神様、どうか子どもたちを飢えさせないでください。」
と祈りながらやはり、眠りに落ちてしまいます。
そして翌朝、目が覚めると鍋いっぱいにスマラクがわいていました。

このお話しから、スマラクは24時間煮詰め、それを煮詰めながらかけた願い事は叶うとされています。
また、スマラクのお鍋には今も家族の分、あるいは欲しい子どもの分石を入れてかき混ぜるという伝統が残っているそうです。

次回は私の任地、シュレーデル村について少しお話ししたいと思います。