ぐあぐあ日記enエクアドル

RSS

粟島 実穂
(愛知県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
幼児教育
派遣国
中南米
エクアドル ピチンチャ県キト市
一言メッセージ
愛知県瀬戸市の公立保育園の保育士です。そこで出会った南米出身のこどもたちの存在がきっかけとなり、現在はエクアドルの首都キト市内の幼児センターで活動中です^^

 

幼児教育に対する互いの価値観②食事

2018.08.08

活動

¡Hola! こんにちは^^

今回は、前回の「①自由遊び」に続き、幼児センターでの②食事についてです。

次回執筆予定の「③計画と時間配分」でも触れようと思っているのですが、私の巡回しているセンターは各クラスに「時間割」があり、食事の時間も決められています。「4回の栄養ある食事を提供する」ということも、これらのセンターのキャッチコピーになっていて、9時頃に朝の軽食、10時半頃にフルーツ、12時頃に昼食、午睡後15時頃におやつ、という流れになっています。実際にこどもたちが食べる回数分、同じ量を食べてみたことがあるのですが、このペースで食事を摂ると1日中満腹感があり、食べきることができません。(先生たちは、大人分で更に多い量を食べています^^;)そして、食事の時間が約30分なので大人の私でも「早食い」状態で食べなくては食べきることができません。

日本人の食生活は、栄養バランスもかなり優れており、他国やここエクアドルとは比較できないと思います。こちらでは「食べな食べな!^^」の文化で、沢山食べることが良いこととされているようにも感じます。だから、その文化やお国柄を否定するつもりは決してないのです。

実際に、幼児センターのこどもたちが美味しく沢山食べているのなら、「ちょっと食事の量が多いのでは?」と肥満傾向を少し気にしつつも、「これも文化の違いか」となっていたはずです。でも、現状はそうではなくて、食堂に行くたびにこどもたちが「みほ!もうこれ食べれない!」とか「食べたくないよ!」などと訴えてきます。先生たちも「食べさせなきゃいけない!」と思っているので、食の細い子にも咀嚼力が弱い子にも、年齢の低い子にも、皆同じように同じ量を食べさせてしまいます。そして、食べきれなくて食堂に取り残されてしまう子、泣いてしまう子、嘔吐してしまう子も・・・この毎日の光景がとても辛く、「こどもたちのために、食事の援助の仕方を変えていかないと!」と思っています。

まず初めに取り掛かったことは、こどもたちの食事に関する個々の把握です。例えば、「よく食べる・全体的に食が細い」「好き嫌いの有無・ある場合何が苦手か」「咀嚼機能の発達について」「登園前に朝ごはんを食べてきたかどうか」などです。これらの個々の発達や状況に合わせて、全員同じ量を提供するのではなく、調理員さんに人数を伝えて少な目の食事を用意してもらい、食が細い子たちに提供するようにしました。また、食べ具合に応じて少し減らすなど、日本では当たり前の援助ですが、「これだけなら食べられる?」「あ、全部食べられたね!えらい!」などとこどもたちが「食べられた!」という喜びを感じられるような声掛けをしています。

次に、先生たちの食事の援助の仕方です。写真を見てもらうとわかるように、こどもたちは大人と同じサイズの大きなスプーンやコップを使っています。このコップなみなみに飲み物を注がれるので、1番上の写真のようにこどもたちは飲みきることができません。1歳児クラスのみ乳児用の食器を使い、食事量も気持ち少な目にしてあるのですが、あとはほとんど全員同じ量です。2歳の子と5歳の子が同じ量を食べています。(ちなみに量は5歳の子でも満腹になる量です)そして、食べきれない子たちに先生たちは、この大きなスプーンに山盛りのご飯をのせて、口に詰め込むように入れて、押し上げるんです・・・それでは、嘔吐する子も多々出てきます。咀嚼するスペースがないくらいに食べ物が入ってくるんですから。

私は、当たり前になってしまっているこの援助の方法を変えたいと思っています。まずは、スプーンにのせる量をもう少し減らし、スプーンをこどもの口の手前で止め、こどもが自分でぱくっと食べるのを待つ。これは、こどもたちが自分で食べようとする気持ちを育むというねらいがあります。けれど、現状そこまではできないと思うので、口の中に食べ物を入れる時は舌の手前にスプーンを置く、ということを伝えていきたいです。その方が、こどもたちもよく噛んで食べることができます。

一番下の写真の子は、お肉が食べられなくて泣いていました。よく聞くと、お肉の中にある固いスジの部分が苦手なようでした。なので、スジの部分を目の前で除去して、残りのお肉も小さく切ってあげたら、少しずつ食べ始めてくれました。最後は「全部食べれたね!」とふたりでハイタッチ!泣いていたその子もすっかり笑顔になっていました^^その様子を見ていた先生も「みほ、ありがとう」と言ってくれたり、最近では「今日は量が多いから減らしてもいいよ」と言ってくれる先生も出てきていますが、実際に先生たちがその援助をするというところまではいっていないので、根気強く伝えていきたいなと思っています。今後は、個々の食事に関するデータを書面化して調理員さんとも共有したり、食事に関する先生たち向けのプレゼンや、こどもたち向けの食育に関する楽しい紙芝居などを作っていく予定です!

食事の場面で一番大切にしたいことは、「楽しい雰囲気の中で食べること」「食べる(食べられた!という)喜びを味わうこと」です。それがあってこそ、「食と体の関係性」や「マナー」などが続いていくものだと思います。保育現場の中でも「食育」が重視されている日本と、もちろんまだそこまでの段階に進んでいないエクアドル・・・けれど、こどもたちや先生たちにとって少しでも「食」が楽しくて、大切なものになるといいなと思っています^^

【つづく】