JICA海外協力隊の世界日記

での、ベナンに生きる。

雨の日は働かない

【配属先近くの道】

雨の日は働かない

(着任当時の私:なんで??雨が降って会社に行けないなら傘をさせばいいじゃん。)

じじゃ。

(現地語のフォン語で雨が降っている、の意味。どうしてこれをやらないの?等、雨季に理由を聞くとやたら雨を理由にされる。)

皆さん、アフリカの気候ってどんなイメージですか?

赤道直下、さんさんと照り付ける太陽。乾燥した土壌。砂漠。

そんなイメージから私はベナンに来るまで、とにかく毎日暑くて乾燥しているのだろうと思っていました。

ベナンは高温多湿の熱帯雨林気候です。

そのためもちろん雨は降りますが、日本の四季で言うならば、

一年中、ずぅっっっっっっと夏!

ベナンで生活して、約1年半。

こんなに長い期間夏を感じているのは、生まれて初めてです。

日本の四季って素晴らしいですよね。

美しい景色はもちろん、季節の移り変わりを楽しむ風習も含めて世界に誇れるものだ、と感じて着任当初にとある小学校で紹介したことがあります。

「日本には4つの季節があります。」

写真とともに自慢げに説明し、みんなが驚くとばかり思っていましたが、私の予想していなかった反応が・・・

先生と生徒ともに、

「ベナンには4つの季節+ハルマッタンがあるから、5つの季節があるぞ~!」

と自慢げに話してくれました。

その当時の私は正直、え!?ずっと夏じゃん・・・と思いましたが、

ベナンの季節は細かく分けると、

小乾季、大乾季、小雨季、大雨季、ハルマッタン(サハラから吹く貿易風)

の5つの季節があります。

現在は雨季です。

その中でも4~6月は大雨季と呼ばれ一年で最も降水量の多い時期。

日本で言うところの梅雨のような時期です。

今の時期はマンゴーの季節でもあります。

日本では110000円近くする高級マンゴーもありますがベナンでは破格。

そこら中に実がなっているので、安ければ0円で美味しいマンゴーにありつけます。

【これだけ買って200円。1個約15円。】

日本に比べると穏やかですが、実際に1年半生活してみると季節によって見せる顔が違うのに気づきます。

気候以外での雨季と乾季の違いはというと、

冒頭でもふれたように、雨の日には、

人をはじめ、いろんなものが働かなくなります。

雷等の影響もあって停電が頻発。停電すると連動して断水、電話がつながりにくく、ネットが全く機能しなくなる。また、上の写真のように道路も水であふれ、通行止め。

そのため、保健センターには患者さんが来れなくなります。

雨がやんでも、道路の舗装がされていない地域では、隣の村につながる道が封鎖され、村から出ることも村に入ることもできない陸の孤島となってしまいます。

そうすると何が起こるか。食糧の確保ができず、肉や魚はもちろん自家栽培でもしていない限り野菜も手に入らなくなります。また、保健センターでは手に負えないけがや病気をした際、病院に搬送することも困難になります。

十分なライフラインが確保できなくなってしまい、ほぼ災害レベルです。

前置きが長くなってしまいましたが、つまりなにがいいたいのかというと、

冒頭で触れた、雨の日は働かない。

の意味が少しだけ理解できる気がしました。

実際にともに生活して、体験しないかぎり本当の意味に気づけません。

言葉だけで完璧に理解するのは不可能です、活動も同じだと思いました。

任期満了までに、今までここで生きてきたからこそ気づけるものを残せたら、と思います。

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