JICA海外協力隊の世界日記

世界一暑い国の空から…

41.じゃあね。またあした。

こんにちは。遠藤浩之です。

とうとう私もジブチを去るときが来てしまいました。

CDC(地域開発センター)で行っている日本語教室の生徒たちからは,ちょっとしたお別れ会を開いてもらい,最後にはメッセージカードをいただきました。(一枚目の写真)

ジブチに派遣されてから9か月。

長いようで短かった。

暑い日と暑い日と暑い日しかありませんでしたが,とうとうジブチを去るとなるととても寂しいです。

と,ちょっと大げさに書いてみましたが,実は配属先からしばらく休暇をいただいて少しジブチを離れたというだけです。

今回は「協力隊活動中の休暇は一体どうなっているの?」と気になる方のための記事です。

あくまでも私の場合の一例です。協力隊として任国外旅行の制度など統一されている部分ももちろんありますが,休暇取得に関しては基本的に配属先の制度に従うことになっています。

私の配属先である地域開発センター局(CDC局)の職員は年に1回,1ヶ月のまとまった長期休暇を取得することができます。

自分の好きなタイミングで申請することができるようです。

実際に私が拠点としている活動先CDCのセンター長も2月と3月に休暇を取得していました。

なぜ2か月間なのかというと昨年に休暇を取らなかった分を今年合わせて取得したようです。

そんなこともできるようです。

もちろん弊害はあります。

CDCのアクティビティ充実に向けて熱心なセンター長だったので,不在の期間はCDCが停滞していました。

しかし,「個人が尊重されている」というか「休暇は誰もが取るべき権利であり大切なもの」というような文化がここジブチではあるのかもしれません。

休暇を取ったからといって,その人に対する不満を言う職員は誰もいません。

と言う訳で,私はそのセンター長が戻ってきたと同時に4月の1ヶ月間,休暇をいただくことにしました。

なぜこのタイミングかというと,理由は4つです。

①ジブチではイスラム教のため5月からラマダン(断食)が始まる。

(私にとって初めてのラマダン期間なので,5月はジブチの生活を体験したい。)

②ジブチの学校は6月より夏休みが始まる。(つまりCDCに子どもたちが押し寄せる。)

6月には派遣1年を迎えるため,活動報告書第3号を作成しなくてはならない。

④与えられている任国外旅行日数20日間の期限が6月で切れる。(2年目に繰り越しができない。)

本来なら,ますます暑くなる68月に休暇を取得して国外へ逃亡…ではなく避暑したかったのですが,残りの任期も考えてこのタイミングで休暇を取得することにしました。

日本語教室も1ヶ月間はお休みです。

「先生,すばらしい休暇を‼」ということで,休暇前最後の授業のあと,生徒たちがお別れ会を開いてくれました。

アニメ・マンガが大好きな彼ら。

クイズ大会を開いてくれたり,アニソンを歌ってくれたりしました。

正直,「わずか1ヶ月のお別れなんだけどな…」とタジタジになりながら,ありがたくプレゼントのメッセージカードをいただきました。

お別れをしたのは日本語教室の生徒たちだけではありません。

他のCDCの子どもたちにも1ヶ月間は来ないということを伝えました。

写真の子にもそのことを伝えました。

彼は私が週に1度活動を行っているCDCの子で,毎回私のアクティビティに参加してくれています。

学校に行っていないためフランス語が分からず,ソマリ語しかしゃべれません。

私は一応フランス語で休暇のことを伝え,近くにいた同僚に通訳してもらいました。

そして胸が苦しかったのは…。

別れ際に彼が言った言葉。

「じゃぁね。またあした。」

彼は日本語のフレーズをいくつかすでに覚えています。

初めて彼に会った日に教えた日本語を使って,しばしのお別れを告げてくれたのでした。

1年後の本当の帰国のときは,号泣しそうです。

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