JICA海外協力隊の世界日記

榎本良弘のガーナ滞在日記

Yellow カードの話

8月に私の家内がガーナに遊びに来てくれました。 彼女は2度目のガーナ訪問です。最初の訪問は約20年前に私のガーナ人の友達の結婚式に参加するためのものでした。その時に黄熱病の予防注射を行いました。写真はその時の証明書です。黄熱病の予防接種の有効期間は10年となっていましたので、妻は、日本出発前に予防接種を受けに7月12日に検疫所に行きました。

ところが、WHOからの勧告により、なんと7月11日より有効期間が一生に変わりました。添付資料(ホームページ http://www.forth.go.jp/news/2016/06210854.htmlより抜粋)を参照ください。 ということで、妻は予防接種をする必要がないとの検疫所での結論から、今回は予防接種をせずにガーナに向かいました。その際、再三担当の方に問題ないですね?と確認したとのこと。担当の方からは、「問題ないはずです」とのことでした。

さて、8月某日彼女がガーナの首都アクラにあるコトカ・インターナショナル・エアポートにやってきました。入国審査を行う前に、Yellowカードの確認があり、ここで彼女は捕まってしまったそうです。約10分間その場で留め置かれ、いろいろ質問、説明されたとのことですが、本人は英語を話さないので、なにを言われたのか分からなかったそうです。それでも無事に入国してきましたので、この問題は解決したと思っていました。(実は、なかなかArrivalの出口から出てこないのでちょっと心配をしておりました) あっという間に12日間が過ぎ、彼女が日本に帰国する日が来ました。3時間前に空港につき、チェックインを済ませ、出発約2時間前に彼女を出国口まで見送り、私は空港を離れました。

ここからは後日妻から聞いた話です。実は妻は私と別れた後、出国審査の前で黄熱病予防接種を受けていないということで、出国を止められてしまいました。担当者から予防接種を受けるようにと指示された(と理解したようです)のこと。でもどこに行っていいかも分からなかったので、チェックインのところに戻り、そこにいた空港係員にたどたどしいい英語とジェスチャーで何とか意思を疎通し、この係員の人に付き添ってもらい、空港内にある診療所(?)に行き、黄熱病の予防接種を受けたそうです。それから、急いで出国手続きを行い、搭乗ゲートについたのが、搭乗締め切り5分前だったとの事。他に、ほんのちょっとの間違いがあったら、彼女は飛行機に乗り遅れているところでした。 もし、乗り遅れたとしたら、私ともコンタクトの仕方もわからず、途方に暮れたであろうと思うと冷や汗ものでした。

WHOが出した勧告は、日本や先進国ではすぐに浸透するのでしょうが、やっぱり途上国では浸透するまでに時間がかかるということが分かりました。逆に言うと、すぐに情報が浸透するようであれば、すでに途上国ではないのでしょう。 日本の常識はやっぱりガーナではなかなか通用しないということを再確認した次第です。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ