JICA海外協力隊の世界日記

古田賢二のネパール大好き日記

西ネパール出張記

今回、3月7日から11日まで4泊5日の日程で、職場の同僚とカビ毒の調査のため、Far WesternKailaliDhangadhi及びMid WesternBankeNepalgunjにトウモロコシと家畜飼料の収集に赴きました。

カビが生産する毒素は、微量で発がん性、肝臓障害、神経障害、ホルモン作用等を引き起こすなど重大な健康危害要因です。中でもアスペルギルスフラバスとういカビが作る毒素で最強の発がん性物質として知られるアフラトキシンは、高温多湿な条件の下で様々な農作物から検出されています。ネパール南部に位置し4、5月の気温が40℃を超えるタライ地域において、アフラトキシンによる汚染が危惧されています。

私が所属するDFTQC(食品技術品質管理局)の支所のあるタライの2地域の調査を計画していました。しかし、昨年10月以降タライ地域では新憲法制定の混乱から、ゼネラルストライキやインド国境の封鎖を実施するなど治安が不安定になり、JICA事務所では同地域のへの訪問を禁止していましたが、3月になって情勢が好転し出張が許可されました。

Dhangadhiには午後1時に到着しました。外気温は30℃と真夏の陽気で強い日差しが照り付けていました。車で走ること30分、DFTQCDhangadhi支所に到着しました。支所は町の中心部にあり、職員は10人で、1階は検査室、2階には会議室と職員宿舎がありました。日常的に停電があるため高度な検査機器は使用できず、基本的な細菌検査や滴定装置を用いた検査が主体でした。

写真は、Dhangadhi支所です。

Dhangadhiの町は、思っていたよりも整然としバザールも賑わっていて、市民の生活はカトマンズとあまり変わらない様子でした。カトマンズと違う所は、テンプと呼ばれるオート三輪のタクシーには、車体の四隅の囲いがなく暑い地域に適した解放的な作りでした。道路には、テンプ、バイク、自転車、荷物を運ぶ牛車が行き交い、活気に満ちていました。夕方、シバプリという、シバ神のリンガをモチーフにした展望台のある公園に行きました。展望台からは、町を一望することができました。日頃四方を山に囲まれたカトマンズ盆地で暮らしている私にとって、果てしなく平らな平原が続くDhangadhiの景色はとても新鮮でした。翌日、午前中に飼料工場、近郊農家、穀物販売店等に行きサンプルを収集しました。

町を離れると畑が広がり、小麦の収穫時期を迎えようとしています。農家の住居は、泥壁でできた家が多く、4月5月の40℃を超える熱風を遮断するため家の出入口以外には窓がありません。Dhangadhiに2泊した後、早朝6時にマイクロバスでNepalgunjへと向かいました。

写真は、タライ平原の日の出です。

ネパール南部のタライ地帯を東西に繋ぐマヘンドラハイウエーを東に約200キロ走ります。道は概ね良好で、真っすぐな道をバスは時速70キロ位で飛ばして走ります。途中、野生のトラやサイが生息しているバルディア国立公園を横切った辺りから、人家が所々に見えるようになり人の往来も多くなってきました。10時頃、Nepalgunjの少し手前の村で 下車し、製粉所でサンプルを収集してから1時頃にNepalgunjに着き、早速、飼料工場に行きました。

工場は、原料や製品の保管管理が十分ではなく、原料のトウモロコシは倉庫に散乱しコクゾウムシが湧いていました。気温が40℃を超える時期には、倉庫は蒸し風呂のような状態になるとのことで、カビが繁殖する好適な条件に思えました。翌日、飼料工場と近郊農家、穀物販売店等に行きサンプルを収集し、今回の検体収集は終了しました。

写真は、飼料工場の倉庫です。

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