JICA海外協力隊の世界日記

古田賢二のネパール大好き日記

ダサインとティハール

【写真は目上の人や親族からお米を赤く染めたティカを眉間につけてもらい無病息災を祈る様子です】 

 ネパールでは10月の中旬から11月の初旬にかけて、日本のお正月のように家族が一堂に会して祝うお祭り、ダサインとティハールが巡ってきました。ネパールの暦は太陰暦のガテであるため、私たちの西洋暦に当てはめると祭りの日は毎年異なっています。今年のダサインは1013日からティハールは1110日からで、昨年より半月ほど遅れて催されました。ダサインは5連休、ティハールは3連休で、この休みを利用して実家に里帰りする人も多くいます。学校はダサインからティハールまで約1か月半の長期休暇となるところもあります。

【写真は民族衣装で着飾って家々の軒先でダンスを披露している様子です】

 今年のダサイン・ティハールは、ネパール大震災被災後にあって悲喜こもごもでした。家が壊れて親戚の家に身を寄せている人達、トタン板の仮設?住居に住んでいる人達、ネパールの仕事に見切りをつけて外国に出稼ぎに行く人達、復興の特需で大忙しの人達‥‥。さらに、7年越しに新憲法が制定され、連邦民主制のネパールの船出との希望を裏切るように、新憲法に反対する部族の抗議活動とこれを支援するインドの思惑とが相まって、混乱が続いています。港のないネパールにとって生命線であるインド国境が、2か月近く半封鎖状態となっています。燃料、ガス、食料品等の物資の円滑な供給が途絶えています。バスの運行は間引かれ屋根の上まで乗客があふれています。ダサインに里帰りをあきらめた人も大勢います。ガソリンスタンドはバス、タクシー、バイクが連日長蛇の列です。2日間並んでガソリンを手に入れた人はラッキーです。家庭では、調理用のプロパンガスが空になり、電熱器や電気炊飯器で食事の用意をしています。でも、停電時にはお手上げです。レストランも休業が相次いでいます。営業している店も、マキで調理をしているためメニューも限られたものです。

【写真はティハールでクリスマスのように灯明や電飾で家を飾りつけた様子です】

 そんな厳しい状況の中でのダサイン・ティハールのお祭りでしたが、ネパールの人々はグチをこぼしながらも、助け合い工夫をしながら伝統的なお祭りを催しそれぞれに家族の絆を深めていました。


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