JICA海外協力隊の世界日記

古田賢二のネパール大好き日記

ABC(アンナプルナベースキャンプ)トレッキング2

ドバンからは、これまでの谷筋から尾根筋へと道が変わり、視界が開けてきました。ヒマラヤホテルまで、雨が降ると土砂崩れの起きそうなガレ場を通過します。左右に岩の壁が迫り、谷には雪渓が残り、そそり立つ岩の壁から水が滴り落ちています。デウラリでお茶を飲み休憩をとりました。ここからは大きな木がなくなり森林限界となります。

マチャプチャレベースキャンプに到着すると、間もなく雪が降り始めました。雪は見る見るうちに積ってきて、まるでスキー場にいるような趣です。雪が積もった高度3650mのこの地では、さすがに寒く、持ってきたありったけの服を着こんで暖をとりました。アンナプルナBCコースにあるロッジでは、森林保護のため薪の使用が禁止されていています。暖炉のない食堂は冷え冷えとしていました。こんな時にはキッチンに入って、ロッジのオーナーやガイド達と一緒に、よもやま話を楽しむに限ります。運が良ければ賄いのごちそうをいただくことができます。外を見ると、2匹の茶色い犬が雪の中を走り回っていました。とても人懐っこい犬で、私たちに愛嬌を振りまいていました。

翌朝、雲一つない青空の下に、一面の白銀の世界が広がっていました。右手にはマチャプチャレが聳え立ち、前方にはアンナプルナが広がっています。アンナプルナベースキャンプへ続く白いなだらかな道は、天国に誘う階段のようでした。朝日が私たちのいる所に到達すると、太陽の光の温かさを感じることができました。みんなで写真を撮りあい、雪をぶつけ合いして、今、この地にいる幸せに感謝しました。急な上り坂が続いたり急いだりすると、さすがに息が切れます。ゆっくりと大きく呼吸をしながら、ゆったりとした歩調で歩きました。心配していた高山病の兆候もなく、全員元気にアンナプルナベースキャンプ到着することができました。ロッジの周りを見ると、マチャプチャレベースキャンプにいた2匹の犬が雪の中で戯れていました。昼食を食べてから、午後2時頃になると定期便のように空から雪が舞ってきて白く視界が閉ざされ、朝の晴天が嘘のようでした。

翌朝も晴天に恵まれ神の住む白い山々に四方を囲まれた幸せを満喫し、美しい景色に別れを惜しみつつ下山の途につきました。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ