JICA海外協力隊の世界日記

赤道直下滞在記

突然のセミナー依頼

先週の月曜の朝、同僚から「今日と明日の2日間、ラボ担当のセミナーをするから手伝って欲しい。」と、いきなり言われました。会社が支援を受けているNGOの活動の一環で、会社に原料を供給している農家の家族の方が対象でした。多くの方は大学生でした。初日は講義、二日目はラボで試作実習をするとのこと。試作を手伝って欲しいとのことでした。

全く聞いていなかったので、「場所はどこでするの?人数は?何時に来るの?講義と実習のスケジュールは?試作実習は何を作るの?」など矢継ぎ早に質問して、おおまかな概要を掴むことができました。試作となると、原料や器具の準備なども必要になります。どのように進める予定なのか同僚に尋ねると、時間が足りないことが分かりました。そうなると、実習の目的に応じて試作の内容を削ったり、手順を入れ替えたり、あるいは時間を調整するなどが必要になります。

そのまま自分が担当する講義に出ようとする同僚を呼び止め、「セミナーで試作実習をして、受講者にどこまで理解して欲しいの?目的によってセミナーの内容が変わるんじゃないか?」と質問しました。知識レベルならサンプルを見せて説明するだけでも良いでしょうが、実際に試作したほうが受講者の理解は深まります。同僚の答えは後者でした。そこで、私が途中まで加工したサンプルを準備して時間を短縮することにしました。(写真は試作の様子)

活動の中で課題として感じていることの一つに、『事前の準備不足』があります。思い立ってすぐに行動するのは良いのですが、目的・目標の設定や段取りを考えていないことで、実施の段階でトラブルにあっているのを何度も見てきました。今回も事前準備の意識付けをする良い機会だと思い、紙に「セミナーでの達成目標」と書き、目標を決めたうえで段取りを考えてもらいました。同僚は、「この考え方は重要だ」と言っていたので、意識してもらえるようになったかと期待していました。(写真は製造工程を説明をしている様子)

火曜日の実習では、カカオマスというチョコレートの原料を作ってもらいました。予定通りに午前中は終了しましたが、その日になって「午後はヨシ(私はこう呼ばれています)に、日本の市場について説明して欲しい」との依頼。準備の必要性はまだ分かってもらえていないのか、と残念な気持ちになりましたが、これは以前作ったプレゼンで何とかこなしました。試作に戻ると、同僚がホワイトボードを拭いて作業の原理について説明の準備をしていました。準備の重要性をわかってくれていたのかな、と嬉しく思った矢先、「ヨシ(私のことはこう呼ばれています)、説明してくれ」と言われました。

私に見せ場を与えてくれたのかと思いますが、またしても何の前触れも無い、突然の依頼でした。何とか説明はしましたが、私のスペイン語で受講生に十分理解してもらえたのかどうかわかりません。これでは目標達成がどうなのか。。。と不安になりましたが、受講生のみなさんが熱心に聞いてくださり、自分達で作ったとても苦いカカオマスを笑顔で持って帰っているのを見て、一定の成果があったことを確信できました。

とはいえ、こうなる前に準備・確認していなかった自分の不備は反省が必要です。そして、同僚に日々の業務の中での準備の重要性を理解してもらえるようになるには、まだまだ私の努力が必要だと思ったセミナーでした。

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