JICA海外協力隊の世界日記

赤道直下滞在記

冬は暑い

エクアドルは赤道直下にあります。そのため、春分の日の時期は、お昼に太陽がほぼ真上に位置します。写真は電柱を撮影したものですが、柱部分の影がほとんど見えないくらい太陽がほぼ真上に昇りました。私のいるマナビ県は、この時期が一年で最も暑い時期にあたります。

先日、同僚と会社に向かう車の中で、気候の話題になりました。そのときのやりとりです。

同僚:「今日も暑いね。」

私:「本当に。日差しが強いね。」

同僚:「まったく、冬(スペイン語でinvierno)は一年で一番暑いよ。」

私:「・・・今は冬で、冬は雨期(temporada de lluvias)だよね。カルセタ市は冬が一年で一番暑いの?」

同僚:「そうだよ。冬が一年で一番暑いね。日本の冬は寒いんだって?」

私:「そうだよ。私は大阪から来たけど、冬は寒い時期で、最低気温が氷点下になることもあるよ。北のほうはもっと寒いけど。」

同僚:「想像できない寒さだな。夏はどうなんだい?」

私:「大阪の夏は最高気温が37~38度になることがあるよ。しかも、とても湿度が高いんだ。」

同僚:「大阪はとんでもなく暑いな。」

海外では自分にとっての当たり前が通じるとは限らない、とは思ってはいましたが、「冬」が一年で一番暑い地区もある、とは想像していませんでした。

後で辞書を見てみると「invierno」という単語は、「冬」という意味の他に、エクアドル、コロンビア、ベネズエラなどでは「雨期」という意味でも使われるとありました。しかし、会話のなかでは、マナビ県の「冬」も日本の「冬」もすべて、「冬」は「invierno」という単語が使われました。

ところが語学研修を受けたオタバロ市でも雨が多い今の時期を「冬」と呼んでいます。そして「冬」は寒く、「夏」は暑い、と言っていました。同じエクアドル国内でも「冬」という単語が異なる意味で使われていることになります。そして同僚は、同じ「冬」という単語がマナビ県と日本では違う気候であることを認識して話をしていました。

今回のことは少々極端な事例かと思いますが、言葉に対して相手が同じ認識を持っているか、頭の片隅に置きながら話をすることの重要さについて改めて考えさせられました。そして、冬が一年で最も寒いという場所と最も暑いという場所があるこの国のことを、もっと知りたいと思った一件でした。

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