JICA海外協力隊の世界日記

黒海中継 by チーム・ギレスン

学生寮と宗教

チーム・ギレスン SV丹羽です。

我々チームが、農業支援活動の為に時折伺うギレスン県南・内陸部のチャモルックには、ホテル等の宿泊施設がありません。ギレスン市から山道を190Km程移動した盆地に位置する小都市ですが、季節の移ろいを感じられる自然に恵まれた場所です。

宿泊が必要な場合、行政当局の厚意により、学生寮(Oğrençi Yurdu)等にお世話になります。寮は、近隣の小中学生の宗教教育の場も兼ねており、寮生は毎日お祈りをします(男女別々の施設です)。

今回は、イズラムのお祈り(Namaz)の大切さについて、寮の張り紙を参考にお伝えしたく思います。

写真の様にお祈りが中心にあり、関連する各項目は同心円の延長に書かれています。12時の方向から時計回りにて、記載内容を紹介します(トルコ語に自信が無く、悪しからず)。    

曰く、・アラーの神に近づく(Allah’a yaklaştırır) ・悪から離れる(Kötülükten uzaklaştırrır) ・良い事に繋がる (İyilike yöneltir) ・良識が身につく(İyi duyguları geliştirir) ・生活を一緒に学ぶ(Yaşam birlikteyi öğretir) ・宗教に直接結びつく(Dinin direğidir) ・尊敬を学ぶ(Saygıduymayı öğretir) ・恥知らずにならない(Hayasızlıktan alıkoyar) ・清潔になる(Temizlike alıştırır) ・時間をうまく使う(Zamanı iyi kullandırır)

つまり、お祈りを通して、こんなに多くの良い面があるという事らしいのです。学生寮の一日は朝のお祈りから始まり、一日五回のお祈りがあります(朝: Sabah, 昼:Oğre, 二回目: İkindi , 夕方: Akşam, 夜: Yatsı)。ちなみに、スンニ派は一日五回、シーア派は三回の決まりです。朝夕の食事の時も生徒が交代でお祈りをして、その間は我々も食事を中断します。事ほど左様に、宗教との接し方について、現在の日本との大きな違いを感じますが、これ以上のコメントは差し控えます。

別の張り紙の日課によると、寮生の一日は朝5時のお祈りから22時の消灯まで、ギッシリと予定が詰まっています。但し、5:45~7:00の朝寝、

21:00~21:30のチャイ(お茶)、21:30~22:00の自由時間は、彼らは多少リラックスできそうです。

男子寮には頭上から水の出るシャワーや洋式トイレが無く、寝室はベッドが六個ほど並んだ集合部屋で、鍵は借りられません。一方、セキュリティは恐らく大丈夫だと思っています。若いボランティアの皆様は、色々な場所で活躍なさっているのでしょうね。私事、若い身空、大学そして会社と寮にお世話になりました。還暦を過ぎても、この様な経験が出来る事、宗教は違うものの、やはり神の思し召しかと…。

では、お元気で 

チーム・ギレスン 丹羽世之樹

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