JICA海外協力隊の世界日記

黒海中継 by チーム・ギレスン

昔教会・修道院、そして今は...

チーム・ギレスン SV丹羽です。

ギレスン市から東に120k、東部黒海地域の中心地・トラブゾンには

飛行機のフライトの都合で、時折訪問します。紀元前7世紀から、

他の黒海沿岸同様、ギリシア人によって交易都市として発展したと言われています。

この地の観光は、内陸部のシュメラ修道院と市内のアヤソフィア教会

(Ayasofya)が有名かと思います。

アヤソフィアは、5世紀に建立され、13世紀に改築されたビザンチン

様式の教会です。2月初旬に訪問しましたが、今は博物館(Müse)と思いきや、ミナレットの無いイスラム寺院(Cami)になっていました。入場に際し、料金所らしきものが無く、内部に入ると、寺院の中心(祈祷場所)から天井・壁面に白布がかけられ、キリスト教のフレスコ画が見えないようになっています。旅行者には、隣接の部屋から、壁面・天井の絵が見られるよう工夫してあります。トルコは宗教の自由が保障されていますが、統計上は99%がイスラム教徒(実は少し?)とのことで、旧来の教会はイスラム寺院(イスタンブルのアヤソフィアが一番有名?)になったり、博物館や図書館になるケースが多い様です。

敷地内にはロカンタ(食堂)があり、黒海や山々の眺めが素晴らしく、

朝食セットも有名との事です。因みに、アヤソフィアはギリシア語の

「聖なる叡智」という意味で、ソフィアとアルマァ・マーテルは同意語かと思います。

次は、トラブゾンで恐らく最も著名な観光地のシュメラ修道院(Sumela

Monatesy, Şumela Manastır)について。トラブゾンの中心部から車と徒歩で一時間程度の場所に位置し、昨年3月に訪問しました。標高1200mのまさに断崖絶壁の地にあり、今は博物館扱いだと思います(入場料金は忘れました)。4世紀頃から建設が始まり、現存する聖書を題材とする壁画は素晴らしいものです。近隣には20世紀初頭まで多くのポントス人(ギリシア人)が住み続け、オスマン帝国時代にも破壊はほぼ無かった様子です。

ギリシア・トルコ間の住民交換時には、三万人ものギリシア人が当地から移住したとの事です。

因みに、壁画の聖母マリアの顔が黒いことがシュメラ(メラス=ギリシア語の黒)の語源と言う説があります。この地で信仰を深めた修道士に思いを馳せると、私には中々言葉になりません。少なくとも、高所恐怖症の方にはお勧め出来ません。尚、修道院へ向かう山道の途中に、JICAの関係する地産銀細工の販売店がありました。

ギレスン市においては、ギレスンMüseが、過去は教会でした。図書館になっている教会もあります。私感ですが、例え他民族の建物であっても、過去からの歴史的建築物を、宗教・体制等の違いがあるにせよ、破壊せずに活用しつつ存続させること、その民族の度量が感じられ、素晴らしいと思っています。次世代に向け、少しでも紛争が減少する事、祈念します。

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