JICA海外協力隊の世界日記

黒海中継 by チーム・ギレスン

『カハバルト』でさようなら

約1年10ヶ月間のギレスンでの活動が終わり

日本に戻る事になりました。

好きなトルコ料理は色々ありますが

最後は『カハバルト』のお話をさせてもらいます。

カハバルトは『朝食』と訳されている事も多いのですが、

時間を問わず、チーズ、オリーブオイル、蜂蜜、バター、ジャム、パンなどがテーブルに並んだ食事を『カハバルト』と言います。

ホテルやレストランのカハバルトでは卵料理、サラダ、ソーセージ、ゴマペース、なども並び豪華版!

私はこのカハバルト、配属先や巡回先でごちそうになる機会に恵まれました。

配属先では、パン、オリーブ、蜂蜜は買って来た物が多いのですが、チーズは自家製、トマトやキュウリは自宅で獲れたもの、たまに家で焼いてきたと言うチーズパン『ポアチャ』が並ぶ事もあります。

月に2、3回、出勤後に誰かの部屋でカハバルトが始まると、「ゲルゲル(おいでおいで)」と声を掛けられ、職場の人と雑談をしながら自家製チーズや新鮮な野菜をほおばります。

巡回先は農家さんが多いので、並べられる食べ物も自家製品が増え

薄焼きパン、バター、レチェルと呼ばれるジャム、蜂蜜、チーズ数種が全て自家製と言う事も。

親しい身内だけだと男女一緒に席に着きますが

お客さんがいる場合は、お客さんと男性、女性の二手に別れて席に着きます。

たいてい男性はベランダやテラスで

女性は室内と言う事が多いです。

女性が調理をはじめとする食事の準備をしますが、来客用席の配膳やお茶の継ぎ足しはその家の男性の仕事。

来客が多いと私にも調理ストーブで温めているパンやジャガイモがこげないように見張るという簡単かつ重要な仕事が割り振られる事も。

その家の主婦がご主人の動きを見つつ家に居る女性陣に『ブロックサイン』を送りカハバルトの準備が静かに進みます。

さて、トルコを出発する前日、最後の日は皆で一緒にカハバルトを食べようと誘ってもらいました。

外勤同行や会議などでお世話になった広報部の人達6名に所長秘書室の女性陣、副所長も加わり、6畳程の部屋は入るのをためらう程のギュッギュ詰め

でもいつも通り

「イワサ、ゲルゲル」

途中思い出話で泣いたり笑ったり。

人とのつながりと食が、これほど強く結びついたトルコのギレスンで2年近く過ごせた事に

改めて感謝の気持ちで一杯です。

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