JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

出張ワークショップ

先日、王立プノンペン大学,日本語学科4年生を対象とするワークショップを持ちました。4年生に進級したばかりの大学生を相手に、VRTカードを使ったワークショップでした。VRTとは、Vocational Readiness Test(職業レディネス・テスト)のこと。アメリカ人の心理学者、ホランド博士が開発した理論を基にして作られた職業への準備程度を測定するツールです。日本では、中学生・高校生を対象とします。VRTカードは、職業興味と職務遂行の自信度に関する項目をそれぞれ一枚ずつのカードに印刷し、短時間で簡単に使えるツールのことです。

カンボジアでは、大学や高校で就職・進学相談できる機関はありません。個人の責任で、就職先を見つけたり、大学の専攻学科を探します。就職や進学におけるミスマッチが起こりやすい要因となっています。

日本語学科学科長のレスミー先生が担当するクラスにお邪魔して、VRTカードを使ったワークショップを持ちました。まず、VRTカードの意義と目的を説明し、実際にペアを一組選んで、みんなの前でデモンストレーションをしました。説明はすべて日本語でできるので楽でした。今回は、職業興味カードを使ったワークショップにしました。本来ですと、カードは机の上において分類するのですが、学生全員が見えるように、ホワイトボードに貼り付けることにしました。女子学生が読み手になり、1枚ずつカードに書かれた職業の内容を読みます。男子学生が聞き手となり、興味があるかないかを基準に、「やりたい」、「どちらともいえない」、「やりたくない」別に54枚のカードを分類していきます。分類結果から希望する職業領域が分かります。その結果に納得顔の男子学生。

今度は全員を対象に同じ事を行いました。分類シートに記入したところで、授業時間が終わってしまい、2週間後に各自の結果を渡すことになりました。授業後、このカードはどこで購入できますかと尋ねてくる学生がいて、関心の度合いが高いことが分かりました。読み手だった女子学生は、「私はNEAでインターンすることを希望しています。卒業したらNEAに就職したいです」、と言ってきました。日本語が話せるスタッフがNEAにいれば、どれだけ日系企業が助かるかと思うと嬉しくなりました。

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