JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

最後の訪問者

活動終了まであと8日に迫った水曜日の午後、カンボジア陸軍中将の位を持つ日本人の方が、部下を連れてNEAに来られた。目的は、部下の就職探しである。カンボジアでは公務員は、副業を持つ。支給される給料が少ないことが原因である。朝、勤務する公共機関に顔を出し、しばらくいて、いつの間にかいなくなる。別の仕事をしに行くらしい。

兵士も例外ではない。給料が低いので、副業が必要になる。フルタイムでは、さすがに問題になるので、パートタイムで働けるところを探す。NEAに来られた女性兵士は20代後半であろう。家族に病気になった人がいて、家計を手助けするために、パートタイムの仕事が必要になった。彼女が希望する職種は、レセプショニストかアドミアシスタントである。NEAに求人を出す企業はほとんどがフルタイムのスタッフを求めている。リクルートチーム長がこうした現状を説明し、どうしたら仕事が見つかるかをアドバイスする。女性スタッフも加わって、相談にのる。今日は、2社の就職先を紹介される。

相談は、クメール語でするので、私は一緒に来た日本人の方とカンボジアPKO部隊についてお話を伺った。現在、2400名のPKO兵士がいる。そのうち1200名の兵士が紛争地域に派遣される。最近、マリに派遣された兵士が4名が亡くなったそうだ。日本だと大騒ぎになるのに、ここでは想定内ということで済まされてしまう、とおっしゃっていた。

彼女が、良い仕事を手に入れることが出来れば、それに続く兵士が多くいるので、彼女にはぜひ、希望する仕事を見つけてもらいたい、ともおっしゃっていた。日本の日の丸を背負って、活動しているので、日本人らしい極め細やかな、お世話をしてあげたい、と語る言葉が印象に残った。

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