JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

公共道徳心を育む

毎朝、早朝の日課である散歩に出かける途中、公園の芝生の前に大きな看板が目についた。散歩するのは、独立記念塔傍にある公園である。一周すると300メートル近いので、多くのカンボジア人に人気の散歩スポットである。公園の中央部分には芝生が敷かれ、定期的に整備されているので見た目は良い。公園脇の道路際には、散歩に来る人々の車がたくさん駐車してある。朝のすがすがしい空気の中を歩く気分は最高であるが、祭日後の朝は最悪である。普段でも週末の朝、公園の芝生の中、ベンチ前、歩道周辺には、食べ物を入れた発泡スチロールやプラスチックだけでなく、ペットボトルが散乱し、歩道には、ジュースをこぼした黒々した液体がべっとりと残っている。そのごみを飛び越えたり、避けたりして散歩するのは気分のよいものではない。毎朝、掃除する人たちが出て、ごみは片付けるけれど、歩道にべっとりとついたジュース跡は当分消えない。

半年前ぐらいであろうか、突然、芝生の上に絵看板が立てられた。それは、犬の糞を芝生にしては駄目という看板であった。ようやく、公共道徳心を育てる試みが始まったかと思い、嬉しくなった。ただし、それが実行されているかは少し、いや大いに疑わしい。今日の朝も、自由に芝生の上を歩き回る犬を見た。飼い主はどこにいるか分からない。

クメール正月前には、さらに大きな絵看板が立てられた。絵には、6つの×がついている。ごみのぽい捨て、芝生に入ること、立ち小便、ベンチで寝ること、などに×が付き、5つの絵には、正しい行いが描かれている。ごみはゴミ箱に、運動は広場で、ベンチは座るもの、などである。

今日も、散歩したが、ごみは相変わらず、捨てられている。それを掃除している人を見ながら、さてさてごみゼロの日はいつ来るかなと思ってしまう。

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