JICA海外協力隊の世界日記

私,ジブチほっとけんし!!

ジブチの交通【交通事故事情】

 こんにちは。JICAボランティアのはばのです。

 今回はジブチの交通事故事情についてご紹介します。交通事故事情なんてちょっと物騒な感じがしますが…ジブチに来てから交通事故の多さ,特に大型車の事故の多さを実感しています。なので,その実態についてお伝えしたいと思います。

 ジブチの首都ジブチ市にはジブチの国益を担っている大きな港があります。海を持たない隣国エチオピアにとってジブチ港は重要な流通の玄関口となっており,毎日多くの物資が大きなトラックでエチオピアへと運ばれています。そして,空になったトラックがまたジブチ港へとやってきます。私の住んでいるディキルという町は,エチオピアまで続く国道が通っている町です。そのため,毎日多くのトラックが行き来しています。ジブチとエチオピアを結ぶ道は3本ありますが,ジブチからエチオピアへ物資を運ぶ大型トラックが使えるのは,現在この国道だけになります。他の道は,エチオピアからジブチへと物資を載せていないトラックは通れるようですが,大量の物資を載せたトラックは急勾配の場所があり通れないそうです。

 途上国ではよくあることですが,ドライバーの交通マナーは悪く運転も荒いです。歩行者優先という概念は無いように感じます。なお,この国道は信号が無く,ひたすら一本道なのでスピードも出してしまいがちになるようです。そのためこの国道を通ると,事故をしているトラックを度々見かけます。どうすればそうなるのかと不思議な形で止まったままのトラックを見かけることも珍しくありません。冒頭の写真は,この国道を通った際,事故現場に遭遇したときのものです。この国道の至るところでこのような事故現場を見かけます。日本だと,事故が起きると警察やレッカー車がやってきて,速やかに事故現場の処理が行われますよね。ジブチはそうではありません。まず,事故が起きても警察が来ないこともざらにあります。また,車がちょっとぶつかったくらいでは,ドライバー同士の「オリャー!」(現地の口語であるソマリ語であんた!お前!)という掛け声とともにちょっとした怒鳴り合いで事が済んでしまうのもジブチです。おおらかというか…適当というか…もともとボロボロな車が多いので少々ぶつかったくらいでは気にならないのかもしれません(笑)。

 この国道の事故車のほとんどはトラックなのですが,レッカー車が来ることも少なく,事故車が何週間もそのまま放置されていることも多々あります。そればかりか事故多発地帯である道沿いには,放置されたままのコンテナがいくつも転がっています。エチオピアへ運ぶはずの物資が道に散乱し,その物資を回収する車が来るまで物資が盗まれないように何日も事故現場を見張っている人もいるくらいです。

 事故が多いので,当然ながらドライバーの怪我人も多く,時には死亡者も出ています。そのため数年前,この国道沿いのある町には事故による怪我人を救急で受け入れるための病院が出来ました。事故多発地帯から一番近い大きめの町に病院があることはとても心強いですが,事故現場に救急車がすばやく駆けつけることが出来るのか等の疑問はあります。

 また,この国道で事故が起きたときに大きな問題となるのが,大きなトラックによって道が塞がれてしまうということです。冒頭にも書きましたが,ジブチからエチオピアへと物資を載せたトラックが通れる道は現在1本です。なので,道が塞がれると大渋滞が起きます。トラックの大渋滞を見かけることも多々あります。

 最近は数回の雷雨があり,道が陥没してしまい…もともと良くない道路状況もさらに悪くなり,事故が多発しています。ジブチは,水を吸収しづらい土地のため,一度雨が降ると一気に低いところへ雨水が流れて込み,普段は枯れている川が激流の川へと変わるのです。次の写真は大雨の激流によって道が削れてしまったときのものです。

 幸いにも,今まで私は事故に遭ったことはありません。しかし,実際に多くの事故が起こっています。この国道を通る際は,特に気を引き締めて事故に注意していきたいと思います。といっても,私が運転をすることはないので,バスに乗っているだけなのですが…。

 今後,少しでも事故が減り,怪我人や死亡者が減り,また雨に弱いデコボコ道も改善されることを願っています。

 ではでは,今回はこの辺で。

幅野由樹子

 前夜の大雨でぬかるんだ道路。エチオピア行きのトラックの大渋滞が起きてました。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ