JICA海外協力隊の世界日記

ケニア滞在記

ケニア人は語学の天才

今日はケニア人の素晴らしい語学力についてお話しします。ケニア人は日常的に複数の言語を使い分けて生活しています。

まずは英語です。英語は主に行政の場や教育現場で使われています。公式文書などはほぼ英語で作成されており、学校の授業も英語で行われています。普段、私は田舎の農村にある小さな小学校で授業をしていますが、4年生以降はすべての科目を英語で教えています。

ケニア人の英語力自体は本当にまちまちですが、都会に住んでいる人や、学歴が高くなる人ほど、英語が上手になるという印象があります。とは言っても、英語が全くできないという人は、田舎でもあまりいません。

さらに、ケニア人の中には「英語ができる=仕事ができる」というイメージがあるそうです。なので、職場の大事な会議やプレゼンなどは大体英語で行われています。

次にスワヒリ語です。こちらも英語と並んでケニアでは公用語に指定されていますが、ケニア人は概ね英語よりはスワヒリ語の方がずっと得意です。テレビやラジオで使われる言語はスワヒリ語が多く、学校でも入学してからずっと勉強する教科でもあります。特に、異なる民族同士が住むエリアでは、民族間の共通語はスワヒリ語になるので、そういったエリアに住んでいる人ほどスワヒリ語が上手であると言われています。

最後は民族語です。実は、ケニア人にとって、上記で述べたスワヒリ語と英語はそれぞれ第2、第3言語であり、第1言語は民族語なんです。現在、ケニアには42の民族がいて、それぞれが固有の言語を持っています。例えば、人口が一番多いキクユ族にとってはキクユ語、キシイ族はキシイ語が第1言語です。

ちなみに私が住むケニア西部は、ルオ族が住むエリアなので、民族語はルオ語となります。

こんな感じで、ケニア人の多くが日常的に3つの言語を使い分けており、話題や場面や話す相手に応じて使用言語がコロコロ変わります。

私も普段同僚たちと談笑しているときに、初めは英語で話してて一緒に大笑いしていたのに、突然スワヒリ語になったことで愛想笑いに変わり、さらにルオ語になってもはや苦笑いしかできなくなることはよくあることです。

スワヒリ語もルオ語も少しずつ理解できるようになってきてはいますが、それでも頭の中で言語スイッチするのは本当に大変です。いつかすべての言語で大笑いしたいものですが、任期中は無理そうです笑。

また、言語力事情は民族によっても異なります。先ほども述べたように異民族同士が住むエリアでは、スワヒリ語が上手なケニア人がたくさんいます。しかし、私が住むケニア西部はほぼルオ族だけが住むエリアなので、ルオ族はスワヒリ語があまり上手じゃないと言われています。また、同僚曰く、ルオ族は英語が大好きな民族でもあるので、英語が得意な人が多いそうです。たしかに私が生活している田舎の農村で、日常の言語はルオ語ですが、英語だけでもほぼ不自由なく周りとコミュニケーションが取れます。他のエリアのことはよくわかりませんが、とにかくケニア人の語学力はすごいです。小さな子どもでさえ、複数の言語を使い分けているので、私も負けずに頑張ろうと思います!

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