JICA海外協力隊の世界日記

人類みなアミーゴダイアリー in BRASIL

~夢を持ち越した選手のために~ さわやかNo,18


現在,12歳以下のブラジル代表チームが,日本に遠征中です。


私のFacebookにも,日本のホームステイ先のご家族との対面式の様子や,東京ドームでプロ野球や社会人野球を観戦している楽しそうな写真がどんどんアップされて,日本で楽しそうにしている選手の姿を見て,“あ〜ほんまに良かったな!”と,私自身もとても嬉しい気持ちです。



以前,このブログでも書きましたが,私が指導するチームの中から3名の選手がU-12の世界大会ブラジル代表に選出されました。


3人とも念願の日本行きをとても喜んでいました。


「先生!日本に行ける!」「本物のお寿司食べれるかな?」(←え!そこかい!と思いましたが,これも立派な目的!)と。


が,代表練習が行われ始めて,一ヶ月ほどした頃,1人の選手が代表から抜けざるを得なくなってしまいました。


その情報が耳に入り,一瞬固まる自分。


“あんなに楽しみやって言っていたのに,何があったんや?”


すぐに話を聞かせてもらうことに。



理由を詳しくここに書くことはできませんが,様々な問題が重なり,泣く泣く断念せざるを得ない状況になってしまいました。



悔しそうに事情を説明してくれるお母さん。妙に納得できないモヤモヤ感。叶えた大きな夢から,ズッドーーーーンと落とされる感覚。


当の選手も,ショックから「もう野球はしたくない。」と,2週間ほどグラウンドに来ることができませんでした。



電話を掛けたり,親御さんに話す機会を作ってもらえないかとお願いをして,何度か話を聞いた末なんとかチームに戻ってきてくれました。が,一度叶った夢の大きさがその子にとって大きかった分,ショックも非常に大きかったと思います。



子どもの頃の夢や,子どもの頃にした経験は,その子にとって必ず大きな財産になります。


子どもに夢を与え,それを叶えてあげる道筋を作ることが,私たち指導者・大人の務め。しかし,今回はこうした形で1人の選手の夢を,叶う寸前で叶えられませんでした。



今は前向きに何事もなかったかのように振る舞う彼。


そんな大きな夢を持ち越した彼に何ができるか。一緒にいる分応援したい!一緒に大きな夢を叶えたい!!


がんばろか!一緒に!


そんな話もあるなか,現在,ブラジルの同じJICAボランティアが所属する,グァララペスの野球チームが,選手を日本へ連れ遠征中です!!


「日本に行ってみたい」という選手の夢を叶えるため,配属先とボランティアがとてつもない尽力をされたそうです。


ブラジルの子どもたちが,日本に行って,日本の子どもと試合をしたり,日本の大学生に指導してもらったり,日本のプロ野球を観戦したり。


チームの子どもたちは人生の中でも最高の経験になっているでしょう!!


こういう舞台を整えて,夢を与えることが私たちの務め。


方法を見出し,実行するボランティアの姿,めちゃくちゃかっこいい!


自分も今回,涙を呑んだ選手のため,夢をもつ選手のため,できることトコトンやっていこうと思います。

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