JICA海外協力隊の世界日記

バヌアツの海と空の間で

バヌアツの食文化1

 バヌアツは熱帯~亜熱帯に属する気候なので私が派遣されているサント島は一番涼しい時期でも日中25度前後ありまさに常夏の島です。 主食の芋類や果物は一年を通して採れ、植物(草)の成長が早いので狭い国土ながら牧畜が盛んに行われているため牛肉も安価で手に入ります。 また、気温や湿度もそれなりに高いため有機物が腐敗しやすいが食糧事情は悪くないので採れたてのものを新鮮なうちに地産地消するのが小さいコミュニティをつくって島のあちこちに点在しているバヌアツ人の生活には理に適っていると思います。

 そういった事情もあってかこの国に来てから保存食品と呼べそうなものをほとんど見かけたことがありませんでした。  

しかしながら昨今では都市部への人口集中がこの国でも起きており、街の中心部にはマーケットがありそこでは各地で採れた野菜や肉、魚も売られているのですが他の食糧と違い、魚は水から揚げた時点で死んで腐敗が始まり、且つ水分保有量も高いので痛むのも早く比較的取扱いが難しい食材と言えます。

現在、野菜マーケット付近で魚を売っている行商の人たちに氷を支給しているがフィッシュマーケットを建設して流通、鮮度管理、漁獲量の把握までを行いたいのが水産局の悲願となっている。

 本来であれば水揚げする漁村に製氷設備があり、街の市場まで低温で運んでくることが望ましいが電力供給事情、設備投資の面で問題があり街で氷を支給するころには生臭く、身も少し柔らかくなってしまっています。(水揚げしてすぐ内臓を取り除くことは行っている)

また、この島ではたくさんの種類の魚が水揚げされるが量、値段、質でマングルーフィッシュと呼ばれるアジ科の魚が人気があり、水産局ではこの魚を主として魚市場の普及拡大を目指している。

冷蔵、冷凍や真空といった電力や設備を使わない方法での品質保持も同時に模索していて乾燥、塩漬け、燻製といった保存加工の一つとして今回干物を実験的に始めてみました。

このような食べ物が受け入れられるか未知数ではありますが日本人ボランティアとして知識、技術、発想、何か一つでも現地の人にとって有益で受け容れてもらえる活動が出来ればと考え日々の活動に取り組んでいます。

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