JICA海外協力隊の世界日記

バヌアツの海と空の間で

燻製づくり

 10月17日にWorld food dayというイベントがあり、水産局も何か出展しなくてはいけなく、干物の作り方をプレゼンして欲しいと言われたのでかねてからいつかはやろうと思っていた燻製作りにも着手してみました。
もともとこの国で燻製の文化はなく、燻製のチップの選定から始まり、小さな島国で第二の都市とは言え一斗缶一つ入手するのも困難で思い立ってから3か月くらいかかってしまいました。

燻製と言っても生の魚をそのまま燻すわけにはいかず、一度塩を入れて乾燥させなくてはなりません。

ここは今までに何度も作った干物が条件としてそのまま使えるので今回は前日に作ったアジの干物をそのまま燻製にすることにしました。

 こちらに来た当初はバヌアツの他の島で日本政府の資金協力でソーラー式の製氷機が導入され市場が出来た場所があったので、ボランティアにはそういう過度の期待が寄せられそういった見積もりを見せられたり、資金援助をどうやって引っ張れるかの相談が多かった気がします。ただ、それでは機械のメンテナンスもできない現地では一過性のものになると思い、文明の利器を用いない方法を模索し、 街から数十キロ離れた漁村から輸送に掛かるコストと鮮度維持の方法の改善が課題でした。

 燻製が行えれば製氷設備のない村でも保存ができ漁獲量がそれほどない時は翌日に鮮魚と一緒に持ってくることもできるし、更に燻製した魚が付加価値を持って同じ量の鮮魚よりも高く売れることを狙いとしています。

干物を作るときに塩と乾燥が入ることで腐敗を促す微生物の活動を一時的に止めることができ、それを燻製することでフェノール化合物の樹脂膜が全体を覆ってくれるので、今回の試作で作った干物の燻製はバヌアツでの常温保存でも1週間程度は持つと予想しています。

更に、自己消化酵素の働きでうま味も増すので燻製の風味と相まってとても良い出来に仕上がりました。

本当は出来上がった燻製を毎日少しずつ食べてどれくらいの期間持つのか試してみたいのですが、作るたびに同僚達がやってきて食べさせてくれとせがまれるので出来上がったその日になくなってしまいます(笑)

でも、燻製の味がバヌアツ人にとっても好まれるということも分かり来週の発表に向けてさらなる改善をしていきたいと思っています。

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