JICA海外協力隊の世界日記

THE・1人任国 in ブルキナファソ!

ブルキナファソ人の懐の深さ・・・?

2015916日。

ブルキナでは、いきなり当時の暫定政権の大統領と首相が監禁され、

突然のクーデターが起こりました。

主犯は大統領警備隊のトップ、ゲンゲレ氏。

しかし、そんなこと望んでいない国民は大激怒。

町は荒れました。

そして、国の軍隊等も動き出し、

大統領警備隊vs国民・国の軍隊・警察の図に。

大統領警備隊に対し、軍隊は大所帯です。

地方に配属された軍も決戦の地ワガドゥグへ応援に向かい、

見るからに不利な大統領警備隊。

隣国の大統領らが事態を話し合いで解決しようと、

次々とブルキナに到着しました。

最終的にゲンゲレ氏は降参。

部下らに撤退を命じました。

いやぁ~荒れました。約3日。

いやぁ~一瞬でした。(過ぎてみれば)

上に決戦の地などと書いてますが、おおげさです。

武器を使った攻撃などは無かったのです。

なぜ、彼らはすぐ降参したのかと聞いたら、

彼らも武器を使って人を殺してまで続けたくなかったんだよ、と

私のカウンターパートは解説しています。(後日談)

(・・・平和か。)

そして監禁から5日後には、みんな口を揃えて

C’est fini.」(終わりよ)と。

何事も無かったかのように、日常に戻りました。

すぐにこのクーデター未遂は国民の間で「ネタ」になりました。

ゲンゲレという同じ苗字の人はただ来ただけでみんなの爆笑を獲得。

何か場違いな発言をしたら、「ゲンゲレ!」と指さして笑う、など

とりあえず、何かにつけて「ゲンゲレ!」と言えば爆笑の嵐でした。

他隊員の任地では、ちょうどゲンゲレ氏がクーデターを企んだ時に、

生まれた子をゲンゲレと呼んでいるらしいです。

その話をしていた時もみんなで笑い、

微笑ましく、なんとも言えないあったかい空気が流れました。

クーデターってあっけないのだなあと思いましたが、

そのころ、周りの人(特に若者)が

「クーデターはいらない。」

「自分たちで自分たちの国のトップを決めていきたい。」

と、熱く語っていたのを聞いて、

国民の立ち上がりの速さ、次の時代に対する期待などが

勝ったのだなあと、感慨深かったのを思い出します。

そして、1年経った9月の今、

配属先の会議にて、思い出したように「ゲンゲレ」ネタが出てきて、

爆笑したので、このことを書いてみました。

9月が来るたびに、「ゲンゲレ!」と言って笑う。

過ぎた事は深くつっこまないブルキナファソ人の懐の深さが

ここでも表れているような気がします。

懐が深いのか、特に何も考えていないのかは分かりませんが。笑

ゲンゲレは歴史に名を残しましたね。とても印象深く。

私も忘れないでしょう。

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