JICA海外協力隊の世界日記

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母の知恵をベトナムの母に伝授

こちらの女性は、私の大家さんです。
私は5階建ての家の一部屋を借りていて、
時間が合えば、1階にある大家さんのリビングでお話をします。

私が入居した当初から、娘の様に可愛がってくれています。
母と年齢が近いこともあり、私も母のように遠慮なく慕っています。

そんな大家さん。
とても心優しい方なのですが、私のやることなすことを
肯定的に捉えないことがよくあります。

たとえば、
下着類を自室に干していると、
「晴れた日は外に干しなさい!臭くなるわよ!」と。
いや、他人に見られたくないから室内に干してるのと言っても、
「え?なんで?」と、全く理解できない様子。

そんな大家さんが私を受け入れてくれたのが、
この古紙を使った、くず入れ作り。

ベトナムの食卓では、
鶏肉の骨や香草の茎などの食べがらを、
テーブルに直置きすることが多く、
大家さんと食事をする際にいつも気になっていました。

私の実家では、よく母親がいらなくなったチラシを使って、
くず入れを作っていました。
くず入れごとゴミ箱に捨てられるので、便利です。

ある日、そのことを大家さんに伝えてみると、
大家さんはこれは便利だと思ってくれたのか、
すぐにいらなくなったカレンダー紙を使って、
見よう見真似で作り始めてくれたのです。

最終的には、私が教えた方法よりも、
はるかに効率的なやり方で作り上げていました。
さすが手先が器用なベトナム人!

あっという間にたくさんのくず入れが出来上がりました。

ベトナムの食卓によく出てくる落花生の殻や、
鶏や魚の骨入れに役立っています。
テーブルが衛生的になって嬉しい限りです。

くず入れ製作は、赴任してから半年くらいしてから伝授したのですが、
それから1年経った今も続けてくれています。

日本の母の知恵が伝わった嬉しい瞬間でした。
あまり多くのことは残せていませんが、
せめてこのくず入れだけでも、日本人がそこにいた証として、
残っていくといいなと思います。

後日談。

つい最近、別のお宅に行って見ると、
同じようにくず入れを作っているベトナム人家庭がありました。
驚きました。

特に日本のくず入れ、というわけではないのでしょうが、
大家さんのお家では日本人から伝わったことに、
意味があるのかなと感じていたいです。

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