JICA海外協力隊の世界日記

井上幸一のクルシェヒル滞在日記

トルコで最初の商工業者組合跡-「旧アヒ・エブラン(Ahi・EVRAN)宿坊」

クルシェヒル市内観光先の一つに旧アヒ・エブラン宿坊”と言われる建物が有ります。 529日のブログでも少し紹介しましたが、13世紀にトルコで初めての商工業者組合「Ahi Union」をこの地で創設したセルジュク朝の偉人”アヒ・エブラン(1171?~1261)“に因んだ建物です。

彼はアゼルバイジャンの出身で宗教、科学、哲学、化学、医学に精通し、アナトリア各地を巡った後クルシェヒルに落ち着き、「Ahi Union」で信仰と技術、倫理、勤労、互助の精神を説いて組合員を指導・教育し93才で亡くなったと言われており、今もこの建物の中で静かな眠りについています(中央の写真が彼の墓です)。彼の偉業と精神をしたって今日でも全国から参拝者が絶えません。彼の業績と終焉の地に因んでクルシェヒルが”Ahiの街とも言われる所以です。

オスマン帝国時代には商工業者の精神的な拠り所ともなっていたこの建物は市の中心にあって、私の配属先の文化観光局もすぐ側にあります。現在、アヒ・エブラン地区と呼ばれるこの一帯は当時の様々な遺物や資料の展示施設の建設を中心に大規模な再開発が進められており、既に出来上った広場で5(例年は9)に「アヒリッキ週間」のイベントが開催された訳です。再開発完成の暁には街を代表する観光資源として当地の観光振興に大いに寄与するものと期待しています。

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