JICA海外協力隊の世界日記

伊藤 有信のメキシコ滞在日記

3回目は、「魔女の紙」です。

先日、モレロ州のクエルナバカ周辺に行く機会がありましたが、昨年9月のメキシコ大地震の被害が痛々しく復興には時間がかかることを実感してきました。多くの家族がみんなで力を合わせて瓦礫を片付けている様子などを見て、一日も早い復興、復旧を願わずにはいられませんでした。さて、今回は、CHALCATZINGO(チャルカチ亻ンゴ)遺跡で見た「アマテの木」を紹介します。

アマテの木とはイチジクの木のようなんですが、私が行ったチャルカチ亻ンゴ遺跡ではこの木が何故か崖のような場所に崩れ落ちないようしがみつくように自生しているんです。とにかく、根のはり方がすごい。人も登れないような崖に、精一杯根を伸ばして自生し続けている様子などを見てなのか、多くの人がパワースポットとして訪れていました。また、そこで、この木の皮を使って紙を作るということを教えてもらいました。

アマテの紙は、約2,000年前にメキシコで作られ、かつてはシャーマンによる儀式などで使われる特別な紙だったようです。多くの人たちはこの紙に不思議な力が宿っていると信じ、「魔女の紙」と呼ばれていましたが、スペイン人たちの征服により、使用や製造が禁止されました。しかしながら、山間部等で細々と伝統が継承され、今でもオトミ族の人たちが作り続けています。今回の写真は、アマテ紙とカラフルな絵の具で鳥や動物等を描いた「絵付けアマテ」です。その他にも、切り絵や刺繍を組み合わせたものもあるそうです。日本の皆さん、ぜひ、メキシコに足を運んで、神秘なアマテに触れ、メキシコの歴史や文化に触れてみませんか。

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