JICA海外協力隊の世界日記

マーシャルのゴミから見える世界

その9:(本来のマーシャルらしい)離島の生活

 マーシャルには首都機能のあるMajuro以外に28の主要な環礁があります。離島(Outer Island)と一般には呼ばれています。あくまでもMajuroから見れば“離島”ですが、私は本来のマーシャルの生活は離島にあると感じています。写真はMajuroにもっとも近い離島であるArno環礁にある内海(Lagoon)の景色です。

#01 離島の生活

 離島では基本的に電気がありません。冷蔵庫もないし、エアコンもありません。獲れたての魚やココナッツ、パンの実などが主なおかずとのことです。ただし、主食は米食のため、米購入のための現金収入が必要です。そこで、コプラ(乾燥ココナッツ)作りや魚の収穫が貴重な現金収入源となっています。写真はArno環礁におけるコプラ作りの一場面です。使わなくなった古い教科書を着火材にして、ココナッツの殻の燃料でココナッツの実を乾燥させています。

 それでも、最近は太陽光発電パネルが普及してきて、電灯がつき、ラジオが聴けるようになってだいぶん生活が変わってきたとのことです。Arno環礁にある唯一のローカルショップをのぞいて見ました。売っている商品は缶詰、ラーメンや醤油などの保存がきく食料品が並んでいました。さらに店奥には太陽光パネルも設置されていました。

#02 マーシャル本来の生活

 仕事柄、ゴミはどうなっているのか気になりました。Majuroのように大量のプラスチックゴミが出るわけではありません。それでも家の横にあるココナッツ殻を積み上げたゴミ集積所?にはプラスチックゴミやスラップなどの不燃ゴミが目立ちました。おそらく生ゴミ類は放し飼いされた豚や鶏などの餌になるのでしょう(写真をご覧ください)。

 第3号でもお示ししたように、離島からMajuroへの人口移動が続くとされています。確かに生活の便利さから見ると比べようがありません。それでもArno出身の職場の職員に将来どこに住みたいのと聞いてみると、定年まで働いた後はArnoに帰って老後を過ごしたいと語ったことが印象に残っています。

 部外者の私が言うべき事ではありませんが、おそらくいくら不便であっても故郷の離島でないと味わうことができないマーシャル本来の景色、生活そして人の繋がりがあるのだろうと考えています。

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