JICA海外協力隊の世界日記

サーイドゲッタン(幸せたくさん)を目指して

弱っている。

下校の時間になって

子どもたちに手を振りながら、

学校を後にする。

曲がった角に人だかりが。

Mr サイード・・・」(ぼくのことです。)

子どもたちに手を引かれながら、

その人だかりの中へ。

そこには、

小さい小さい、

赤ちゃんの

猫が。

ふるえている。

明らかに、

弱っている。

それを心配そうに眺める子。

なんだかやってみようと思う子。

それを止めようとする子。

こうしたらいいんじゃないかとアイデアを出す子。

様々。

水を飲めそうな元気もない。

どうすれば・・・。

このエジプトは、

(この表現が正しいかどうかわからないが)

「生存競争」が激しい。

もちろん、日本だってそうだと思うが。

教室にがっつり沢山いる子どもたちは。

自分の意思を突き通すために、一生懸命声を上げ、

拾ってもらえるように訴える。

そうしないと、自分の思いは叶わない。

これは、この国でよりよく生きていくために、

きっと自然に身に着けるもの、

身につけないといけないもの、なのだろう。

そうやって、

逞しく

生きていく。

その良さ、そして辛さは、

自分がよそからきたから感じるものなのだろう。

それは、猫や犬などの動物でも違わないような。

声を出せないと、生きていけないのかもしれない。

しかし、今日であったこの周りの子どもたちは、

声を出せずにいる、小さな命に必死に向き合い、手を差し述べようとしている。

その温かい心を感じた。

ここにいる子たちにも、そういう心も育っているんだ。

その猫に、

子どものアイデアからでた、ミルクを与えた。

みんなでしばらく様子を見ていた。

ふらっと木陰へ入っていった。

元気でやっているだろうか。

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