JICA海外協力隊の世界日記

全身サモア

文化の祭典はじまる

サモアでは、今年も一年一度の文化の祭典「テウイラ・フェスティバル」がやってきました。28回目を迎えるこのお祭り、今ではミス・サモアを決めるだけのお祭りみたいになっていますが(観光客向けの感じはある)実際のところ創設当初は伝統文化を守っていくために、歌や踊りなどのコンペティションを行おうという意図だったとか。。あまり知られていませんが、この一週間にも渡る「テウイラ・フェスティバル」の開会は、教会ごとの聖歌隊によるコーラス大会ではじまります。昨年も出場したのですが、今年もアピア・プロテスタント・チャーチの一員として参加させてもらいました。昨年は野外テントで歌ったのですが、今年は会場が教会のホールということで、どの教会もアカペラしばり!サモアらしいコーラスが多く、やたら踊りのような振り付けが入ったり(指揮者も途中から踊り出す)人数で圧倒してきたり、アカペラしばりなのにキーボード伴奏が入ったりと色々でしたが、私たちは正攻法で出場。聞いていただいた方からは、ビューティフルで魅惑的との感想をいただきましたー!

このテウイラ祭の開催に合わせてか、サモア国立大学で "Samoa Conference"なる3日間の学会が開かれました。テーマは文化遺産からジェンダー、教育やテクノロジーなど多岐に渡り、私も1日目のパネルで発表させていただくことができました。内容は、7月にオープンした展覧会に関連して、Teachers' Dance Groupの展示をいかに作ったかということと、無形文化財の記録をいかに残していくかということについて。発表時間について事前に主催者から連絡がなく(!)時間を超過する原稿を引っさげていき、抜粋して発表するという形になりましたが、いい経験となりました。写真は、久しぶりに再会できたニュージーランド国立博物館(Te Papa)のキュレーター、ショーン。彼の基調講演では、サモアの文化やそれにまつわる人々の経験が、もののなかにいかに息づいているか、多くの博物館所蔵品を介して紹介されました。ニュージーランドで大切にされ、温かく収蔵されているTaonga(マオリ語で「お宝」の意味)の数々…博物館で働くには、ものと人間に対する深い愛情と他者に対する敬意が必須だなあと思わされました。

カンファレンスの翌日には、博物館も所属する教育スポーツ文化省・文化部局(日本でいう文化庁)主催の"Samoa Ne'i Galo Festival"が開催されました。中高等学校8校が、お題に沿って創作ダンスを踊り競い合う…というこの企画。昨年5月に開催された時は伝統的な踊りと、演技がお題になっていましたが、今年は、サモアの伝説や歴史的な物語について踊りで表現するというお題にシフトチェンジ。ストーリーを作り、振り付けを考え、学生を指導する先生方が大変そうでしたが、本当によく作ったねという力作ばかりで楽しむことができました。「伝統文化の保護」というこの企画の趣旨から考えると、昨年のような伝統的なダンスや歌・演技の年が王道という気がしますが、今年のような創作舞踊の年もあったりと様々なバリエーションがあっていいのかもしれません。フィジーの南太平洋大学オセアニア・センターを拠点に活動する、オセアニア・ダンス・シアターの影響を随所に見て(踊り、コスチュームだけでなく音楽にも)なんだか感慨深く思ってしまいました。ちょうど私がサモアに来てすぐ、当時オセアニア・センターのディレクターだった振付家、アラン・アロが亡くなりお葬式にだけ行ったこともあり…この間までしていた展覧会の調査で、伝統的な踊りとコンテンポラリーの遣取について考えさせられていたこともあり…

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