全身サモア

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慶野 結香
(神奈川県/秋田県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
学芸員
派遣国
大洋州
サモア 首都アピア
一言メッセージ
2016-3次隊として、2017年1月末から太平洋の真ん中に浮かぶサモア独立国にある国立博物館(Museum of Samoa)へ学芸員として派遣されています。

 

出張授業〜サバイイ編

2018.05.25

母の日をサモア人の友人と祝うだけでなく、今回サバイイ島に行ったのには、もう一つ目的がありました。それは、簡単に博物館へ来ることができない地域の小学生を対象に「出張授業」をしてみること。

世界中の博物館では、アウトリーチプログラムとして館外での活動が盛んに行われていますが、残念ながらサモア国立博物館はこれまで、「移動博物館」や「出張授業」といった取り組みをしていませんでした。職員の数が少ないこともできない原因の一つですが、やろうとしたところで職員は国内の学校の様子を知らないし、ノウハウがない…ということでリサーチも兼ねて、日本からボランティアが派遣されている、サレラバル小学校(5月15日午前の一時限)、サパパリイ小学校(5月15日午後の二時限)、イバ小学校(5月16日午前の三時限)で、美術の一環として授業をさせてもらいました。

博物館自体が収蔵品を核として、歴史や文化などの人文学、自然科学、芸術などがクロスオーバーする場所であり、普段からツアーやワークショップを行うに当たっては、社会科やパフォーミング、ビジュアル・アーツのカリキュラムをチェックしていますが、サバイイではあまり美術(Visual Arts)の授業が行われていない学校もある…と聞きつけて、今回は博物館から小さいシアポー(タパとも呼ばれる木から作られる布)を持って行き、伝統的な柄の授業と、ワークシートの色塗りを通してパターンに親しむことを目的としました。

授業のメニューは以下の通り。

①サモア国立博物館、博物館の役割、展示と重要な収蔵品の紹介

②博物館のシアポーを見せながら、使われている色、染色の仕方について紹介

③カードを使いながら、伝統的な模様とその由来、名前について学習

④ワークシートを用いて、シアポーを元にした幾何学的な模様から、色塗りによって模様をつくる

美術のナショナル・カリキュラムで言うと、Year2あたりで幾何学的な形の学習をして、Year4あたりでサモアの工芸品について、Year5あたりでシアポーの模様を学習することになっています。もしカリキュラム通りに授業がされているのであれば、Year6以上の学年の子どもに向けて、復習というかたちで授業できたらいいかと考え、対象はYear6から8という高学年に設定しました。

授業のアレンジは、その学校に配属されているボランティアの助けを借りたのですが、授業をさせてもらう前に、校長先生や高学年を担当している先生たちと話し合うことができたのが非常にいい機会になりました。例えば、小学生が受ける国の統一試験の話だとか。教材の話だとか。そんなこんなで、当日持っていたシアポーの教材もコピーをしてシェアすることになりました。先生たちが、紛失せずに使い続けてくれるといいなあと思っています。笑

小学校教育のボランティアからよく聞くように、学校によって生徒の英語力や話の聞き方・騒ぎ方には確かに差があるように感じました。または、学年によっても生徒の雰囲気に差が。

シアポー自体が、黒色、明るい色、白色(色を塗らずに)と基本的には3色を用いることから、今回は2色をクレヨンなどで、あとは効果的に白色を使っていきましょうという話をしていたのですが、決まりを守らない子もチラホラ…ただ日本と違って、みんな私の問いかけに積極的に答える姿、答えが間違っていても発言する姿には感激しました。

ボランティアだからこそ、日本人ボランティアやPeace Corpsとのネットワークを使って情報を得ることができたり、気軽に単身で授業しに行ったりすることができますが、なかなか省庁でオフィシャルに行おうとすると難しいのも事実…ただし、博物館でのアウトリーチプログラムは今後必要になるはずなので、もう少しプログラムの例と協力者を増やしておき、ノウハウを置いていきたいなと思う今日この頃です。