JICA海外協力隊の世界日記

コンピュータと絵本

モザンビークの昔話2

 日本語クラブでリーダー的な役割を果たしてくれるロザーナが、素敵な絵を描いてくれました。「月の娘」というタイトルは、かぐや姫を連想させますが、バッファローやしまうまが出て来るところがアフリカ的です。この前の「ねずみと猟師」もそうでしたが、突っ込みどころ満載の納得できないお話です。でも、そこが面白いのかな。


月の娘

ある夜、月の娘が髪をすいていた。それを男が見ていた。

月:  おまえ、そこで何をしている。

男:  ああ、お月様。あなたの娘と結婚したいんです。

月:  そうか。娘を絶対に働かせないと誓うなら許してやる。

男:  わかりました。誓います。

男は、娘を連れて家に帰った。

男:  母さん、姉さんたち、ただいま。

母:  おかえり。おや、その娘は?

男:  僕はこの人と結婚します。この人は月の娘だから、

    絶対に働かせないで下さい。

姉1: ええ! 働かないでどうするの。

姉2: どうしてそんな娘と結婚するの。

姉3: 働かないなんてひどいよ!

男が出かけていない間、女たちは毎日川で洗濯をしていた。

姉1: 今日もこんなにたくさん洗濯物がある。

姉2: どうしてあの娘は働かないんだ。

    私たちがこんなに大変なのに。

姉3: あんた、ちょっと手伝ってくれないかなあ。

娘:  だめです。お母さんが働いちゃだめだって。

姉3: そんなのおかしいでしょ。

    ほら、こっちへ来て。手伝って。

娘:  わかりました。でも、恐ろしいことが起こりますよ。

娘が川で洗濯をはじめると、川の底から大地が盛り上がって娘を呑み込んでしまった。姉たちは、驚いて逃げ帰った。

男:  どうしたんだ?

姉1: 嫁が大地に呑まれた!

男:  なんだって?

姉2: 洗濯を手伝わせたから。

姉3: こんなことになるとは思わなかったの。

男:  ううん、しかたない。お月様に助けてもらおう。

男は月に助けを求めた。

男:  お月様、すみません。

    姉たちがあなたの娘を働かせてしまいました。

    だから、大地が娘を呑み込んでしまいました。

月:  だから、働かせるなと言ったのだ。

    別の夫を見つけなければ。

男:  え、別の夫ですか。そんな、ひどい。

月はバッファロー、しまうま、そして亀を呼び、娘が呑み込まれた場所へ導いた。まず、バッファローが娘に呼びかけた。

バッファロー: どうか私と結婚して下さい。

娘: バッファローは嫌いよ。

   あなたの角は大きすぎて怖い。

しまうま: どうか私と結婚して下さい。

娘: しまうまは嫌いよ。あなたって白黒だから。

   私カラフルな方がいいの。

亀: どうか私と結婚して下さい。

   美しいドレスとケープを約束しますから。

娘: ああ、亀さん、あなたと結婚するわ。

娘は大地から解放されて外に出てきた。そして亀と結婚し幸せに暮らした。

この絵では、どう見ても亀には見えないけど、ロザーナのイマジネーションで、亀の王子様と月の娘のハッピーエンドってことのようです。

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