JICA海外協力隊の世界日記

タラワの宝

キリバスの民芸品づくりに挑戦!

今日のテーマは、キリバスの民芸品についてです。キリバスは海に囲まれた国であるため、貝殻を使ったアクセサリーなどをよく見かけます。パンダナスという島によく生えている植物の葉を組み合わせてデザインしているのが印象的で、その模様はとても繊細なものです。

今回作り方を教えてもらったのは、貝殻の花瓶の作り方です。教わった先生によれば、これが一番初心者向けだといいます。早速チャレンジしてみました。ところが・・・。

不器用な私は、貝に開けた穴に釣り糸を通す順番を何度も間違えてしまい、なかなか理想の形に近づきません。ちょっと形をごまかして無理に先へ進もうとした私に、「キリバスの習慣では、最初に失敗してしまうと、そのあといくら直そうとしたってだめなのよ。最初からやり直しなさい!」と厳しい先生。何度も何度も糸をほどいて、やり直しました。結局、半日でおいとまするつもりだったのにもかかわらず、ようやく完成したときには、もう夕方になってしまっていました。

作業中のおしゃべりの中で、先生がこの民芸品づくりを始めたのは小さな子どもの頃からで、お母さんが作業をするのを隣で見ているうちに自然に覚えていったと聞きました。先ほどのキリバスの教えも、そのときお母さんに厳しく言われたことが身についているのだとのことです。

また、民芸品づくりに代表されるような手工芸の技術は、家族に代々伝わる秘伝のものとされることが多く、他人に簡単には教えないということを知りました。この先生の所属する教会グループでは、外国人を始め地元の方にも広く手工芸の技術を教えているとのことですが、この話を聞き、思わず自分の活動を振り返りました。これまで安易な考えで、「良いものはみんなでシェアすればよいのでは?」などと、発言してしまったことがあったかもしれません。これからは、技術は簡単にシェアするものではないと考えている方もいる、ということを念頭に置きながら活動をしようと思いました。

この日、貴重な手工芸の技術を伝授してくれ、そして何度もやり直しをする私に根気強く付き合ってくださった先生に、改めて感謝をしたいと思います!

(おわり)

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