JICA海外協力隊の世界日記

コスタリカ便り

新Cooperativa誕生

私が住んでいるチョロテガ地方(グアナカステ県)は、農業や牧畜が盛んな土地です。特に肉牛の飼育頭数は全国第一位です。スペイン語でフィンカ(Finca)と呼ばれる農場は全部で 10,855戸ありますが、生産者団体や組合に所属しているのは 2,898戸(27%)しかありません。そのため、この地方は個人営農の傾向が強いと言われています。

一方、配属先のPIMAからボランティアである私に求められている仕事は、主に中小の農業生産者に、団体としてチョロテガ地方卸売市場に参加してもらうことです。卸売市場と言っても、日本のそれとは異なり、むかし日本で開かれていた農産物の青空市のイメージに近いと思います。その青空市は、現在コスタリカ国内のあちこちで行われており、週末になると生産者や仲買人たちが、広場に張ったテントで農産物を一般消費者に販売しています。

来年2018年の後半に完成予定のチョロテガ地方卸売市場では、農業生産者団体が常設になっている自分達の区画(全52区画)に、毎日新鮮な農産物などを搬入し、直接小売店やミニス―パ―、ホテル、レストラン等に販売します。したがい、日本の卸売市場で行われているような競(せ)りや、仲卸(なかおろし)というシステムは無く、生産者が個々に値段を付けて販売します。

これまでの普及活動で、すでに20余りの生産者団体から区画への出店要望が来ています。長年Cooperativa、つまり協同組合として運営してきている団体は、組織や経営がしっかりしているので特に問題はないと思います。ただ、まだ組織が十分でない中小の生産者団体の場合は、完成までにいろいろな準備や体制作りが必要です。

その生産者団体の中で、ずっと農牧省の同僚と一緒に訪問し続けてきたバガセス郡で、6月上旬に農業協同組合が正式に発足しました。紆余曲折はありましたが、これまで郡内の各町村で個々に仲介業者に販売してきた野菜や果物の生産者が、これからは郡の “Cooperativa” を通して販売活動を始めます。先ずは公立学校の給食や公立病院などの食堂用の政府調達への供給をはじめる予定です。そして、2018年からはいよいよチョロテガ地方卸売市場で販売を行います。

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