JICA海外協力隊の世界日記

コスタリカ便り

ゴミのリサイクル

今回はコスタリカのゴミのリサイクルの現状について書いてみます。

日本では各家庭でゴミの分別がなされ、ゴミの回収日も市町村毎にきっちりと決められゴミ資源の再利用が進んでいます。コスタリカでも、写真のとおりゴミの分別化を推進しています。ただし、このようなゴミ箱が置かれているのは、役所や大学、ホテルなどごく一部に限られています。

そして、一般家庭におけるゴミの分別は、ほとんどないのが実態です。

住民にとっては楽でよいのですが、生ゴミも、プラスチックも、空き缶も、ビンも一緒くたに捨てるのは、日本人の私にはかなり抵抗があります。当地の人は「文化が違うので気にしないで」と言いますが・・・ 

ちなみに、全国のゴミリサイクル率は、まだたった1%なんだそうです。

実は、この状況は私が20年前まで駐在していたシンガポールでも、10年前のインドでも全く同じだったのですが、今はどうなっているでしょう? シンガポールでは高層のコンドミニアムに住んでいたのですが、台所の奥にダストシュートがあって、毎日そこからゴミを下に落としていました。

インドのムンバイ(旧ボンベイ)ではダストシュートこそありませんでしたが、コンドミニアムの1階の回収所に集められたゴミが、清掃員達の手によって分別されていました。そこで分けられたゴミさえも、郊外のゴミ集積場に行くと、スラムから来た人達が何か売れるものをと探しにくるので、最終的には完璧にゴミの分別が行われる仕組みになっていました。

コスタリカに話を戻しますと、家庭ゴミの回収日がはっきりしません。私が住んでいる地区では、経験的に毎週水曜日と土曜日に回収車が通るのかなと思っていたら、翌日になったり、1週間も放置されることが時々あります。そして、そこら中に悪臭が漂い始めます。

昨年の調査結果によれば、ゴミの回収数は市町村によって異なり、週3回が8%、週2回が58%、週1回が34%とのことです。

ところで、一般家屋の前にある鉄製のゴミ入れスタンドは、日本人には珍しいので写真を紹介します。日本ではゴミ袋を喰い破って中身を漁るのはカラスですが、コスタリカにはあのようなどう猛なカラスはおらず、代わりに野良犬がゴミ袋を漁りにきます。

そのためスタンド方式になったということです。

余談になりますが、最近、ホームレス風の中年や、漂流する黒人移民(?)が、スタンドに捨てられたゴミ袋を無理やりに破って、中からペットボトルやアルミ缶を取り出している光景をよく見かけます。日本のようにゴミの回収日が決められていたら、彼等も市町村もお互いに助かるのにと思ってしまいます。

コスタリカには環境教育の青年海外協力隊員が8名(男5名、女3名)おり、配属先である市役所などで衛生環境向上のための仕事をしています。その一環で生ゴミのリサイクルを目的とした簡易コンポストによる有機肥料作りの普及活動も行っています。また、学校や国立公園においては、隊員たちが小中高生や先生に対して環境教育を行っています。

この国の中流家庭の多くは、女中さんを雇って掃除洗濯をさせている場合が多く、そのような家で育った子供達は、自分の部屋などを掃除することもなく成長します。そのため、環境とか美化意識を培っていくには、やはり子供の頃から教育を始めることが大事だと思います。

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