JICA海外協力隊の世界日記

コスタリカ便り

昔と変わらないもの

今回は40年前に青年海外協力隊員としてエルサルバドルで活動していた頃と全く変わっていない習慣を3つ紹介します。最初は飲み物をビニールに入れる習慣ですね。コスタリカでは、中学生グループが登校中に2リットル入りコーラのペットボトルを売店で1本購入して、人数分のビニール袋に分けてストローを差して学校に持って行く様子をよく見かけます。

昔は、ペットボトルに入れた飲み物はなく、コーラやジュースはガラス瓶で売られていました。そして、路頭ではビニール袋に詰め替えたものが売られていたと記憶しています。同じように酸っぱい青マンゴーをカットしたものも、ビニール袋に詰めて売られていました。ビニール袋は現在スーパーマーケットなどでも使われていますが、本当に便利なものと言えますね。

さて、このビニール袋にまつわる私のエルサルバドルでの苦い思い出は、プロのサッカーの試合を観戦しに競技場に入ると、どういう訳か上段から席が埋まっていきます。私は観戦しやすい中段に座わりました。ところが、試合の終盤になると、熱狂した観客がそのビニール袋を上から投げつけてきます(中には瓶を投げる者もいました)。お蔭で髪の毛や背中がびしょ濡れになって帰ったことがあります。

コスタリカのサッカー競技場では飲み物を持ち込むのは一切禁止されており、入場の際に持ち物の中を調べられますが、現在のエルサルバドルではどうでしょうか?

物価が高いコスタリカですが、唯一安いなあと感じるのは公共バスの乗車料金です。週末は趣味の釣りを兼ねて、魚の買い出しにバスで沿岸部に行くことが多いのですが、1時間程走ってもバス代はわずか150円、往復しても300円です。

2つ目の変わらないものは、このバスの天井に吊るされた細いロープです。写真の吊り革の右側に見えるのがそれです。実は、このロープは乗客が降りたい場所が近づいて来たら、下に引いて運転手に知らせるものです。今は日本のバスと同じような押ボタン式もありますが、地方ではこのロープ式がまだ主流ではないかと思います。

ところで、バスの停車場所はバス停があるところが基本ですが、気の利いた運転手は、臨機応変にどこでもお客を拾い、降ろしてくれます。

日本人が中米を訪問して最初に違和感を覚えるのは、トイレの横に置いてある大きなゴミ箱かも知れません。つまり、当地では用を足した後にトイレットペーバーを便器に流すことは厳禁で、必ずそのゴミ箱に捨てなければなりません。理由は水圧が低いとか、配水管が細いとかですぐに詰まってしまうからと言われています。

私がこのことをはじめて体験したのは、エルサルバドル着任前のスペイン語訓練で、グアテマラのケツアルテナンゴという町の下宿先にお世話になった時のことです。水洗トイレの横には竹製の大きなゴミ箱がどーんと置かれていて、そこには使用済みの新聞紙や雑誌の紙が山のように積まれていたのです。流すための水も桶に溜めたものを使っていように思います。

現在では新聞紙などからトイレットペーパーに変わりましたが、コスタリカのみならず、おそらく他の中南米の国々でも同じスタイルになっていると思います。

日本では和式から西洋式トイレに代わり、その後、先進技術のウオッシュレットへと進化し、今や世界のトイレの最先端を走っていますが、この40年間、トイレ事情がほとんど変わっていない中米の一般家庭でも、いつの日かウオッシュレットが使われる日が来るでしょうか?

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