JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

数学オリンピック決勝戦

 3月7日に数学オリンピックの決勝戦が行われました。2月に実施された地区予選を勝ち抜いた4、6、8年生の優秀な子供たちが教育局の会議室に集まり決勝戦を実施しました。私は6年生の会場で試験監督を担当することになりました。
 試験開始予定時刻は9時だったので、30分ほど前に試験会場である会議室に入ってみてまず驚いたことは、子供たちが対面で座るように設定されていたことでした。不正行為が想定されていない配置で、微笑ましく思いました。この会場には金メダルを争う9名の児童が集まり試験に臨むことになっていたのですが、予定時刻の9時になっても一人しか集まらず、「時間に正確に来ることができたのは君だけだね」と話しかけたら笑っていました。さすがに、一人で試験を開始するわけにはいかないので少し待ちましたが、結局7人しか集まらずに、同僚と相談のうえ9時15分試験を開始しました。

 試験内容は全て記述式で、問題の答えが一つだけではない、いわゆるオープンエンドな問題ばかりでした。例えば、「自然数と整数の違いを具体的な例を挙げて説明せよ。」というような問題で、日本ではあまり見かけない形式の出題でした。計算力よりも表現力を問う問題がほとんどでした。

 試験開始後の9時20分ごろ一人の児童が遅れて到着し、あと一人の生徒で全員がそろうなあと思っていたところ、9時45分ごろに2人の児童が会場に入ってきて驚きました。試験開始予定時刻から45分の遅刻だけでなく、受験者数が予定されていた人数よりも多いということは全く想定外でした。このことについてすぐに同僚に相談しました。すると、本来は受ける予定でなかった児童もいたが、せっかくなので受けさせてあげることにするということと、遅刻してきた児童もせっかく予選を勝ち抜いてきたので、その努力を無駄にしないためにも、1時間の試験時間を与えることになりました。これらに関しては様々な視点から多様な意見があるとは思いますが、心優しいポンペイの多くの人たちが納得できる方法でもあると思いました。試験の間には、子供たちにお菓子の差し入れもあり、国が違えば、試験の方法や考え方が違うということがとても勉強になる経験でした。

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