JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

公立学校の新年度

 ミクロネシア連邦のポンペイ州の公立学校では、8月12日から新年度が始まりました。私が所属している教育局の指導主事たちは、各学校で様々な項目の点検等を行いました。私の分担は特には無かったのですが、せっかくの機会なのでミクロネシア連邦内で最も生徒数の多い高校であるポンペイ中央高校に行ってみることにしました。

 ポンペイ中央高校(Pohnpei Island Central School)はPICSと呼ばれていて、日本の教育制度でいうところの中学3年生から高校3年生までの4学年で約1200人の生徒が学んでいます。公立の学校で、ポンペイ島のみならずポンペイ州にある他の離島出身の生徒も敷地内にある寮に住みながら学んでいます。ポンペイ州の中等教育制度の特徴は、アメリカ合衆国の「No Child Left Behind」政策を参考にして、公立高校では授業料はもちろん寮費とその食費に至るまですべて無料にしている点です。さらに、義務教育ではないため入学試験がありますが、合格点に達しなかった生徒には夏休み中に補習を受講させ、基本的に希望者にはすべて入学を許可しているそうです。そのため教員や教室の数が十分ではなく、そのやりくりが大変だと校長先生がおっしゃっていました。

 今日は同僚と各教室をまわり、教室内の修理が必要な個所の有無や、十分な数の教科書や机と椅子があるかどうかを聞いて回りました。教科によってはもう2年以上教科書が無い状態で授業をしているクラスもありました。また、ひどく破損している床や屋根を至るところで目にし、壊れたらすぐに修理してもらえる日本の教育環境は恵まれていたことを改めて実感できました。

 敷地内を歩いていると、教室を探しながら右往左往している真新しい制服を着た生徒を多く見かけました。初々しい新入生の様子はどの国でも同じで、微笑ましい光景でした。

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