JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

野菜が消えた

 熱帯雨林地域のポンペイ島では、ヤシの実、バナナ、パンの実、サワーサップ等はほっておいても次々と育ち、古くから現地の人々の貴重な栄養源として利用されていましたが、その一方で、それ以外の野菜を育てることはなかなか難しいようです。空心菜やナスなど、現地産の野菜をたまに市場で見かけることはありますが、出荷量がまだまだ少なく、現地の人々にとって一般的な食べ物とはなっていないように感じます。

 太平洋のほぼ中心に位置し、資源が無く、輸出入に様々な障壁のあるこの島では製造業等の国内産業は非常に厳しい環境にあります。野菜や米などの食品に限らず、生活物資のほとんどを輸入に頼っており、2週間に1回、物資を運んでくる大型貨物船が現地の人々の命綱となっています。当初の予定では2月1日に野菜を乗せた船が着くくことになっていたので、楽しみに待っていましたが、何らかの理由により寄港が延期になってしまいました。写真は現在のスーパーの野菜コーナーのものです。残っているのはリンゴだけで、これまでに尽きることのなかった、玉ねぎやジャガイモ、ニンニクなども姿を消してしまいました。

 18年前に青年海外協力隊員として活動したマーシャル諸島の首都マジュロでは、葉物野菜はたまにしか見かけることができず、非常に貴重な食品だったのに対して、ミクロネシアのポンペイでは、常に見かけることは難しいものの、2週間に一度は確実に手に入れることができ、ありがたいと思っていたのに、このような状況になってしまって驚きました。たった数日、船が遅れただけでこのような状況になってしまうことで、生活物資を海外に依存することの怖さが実感できました。私の活動も何らかの形でミクロネシアの国内産業の発展に貢献できればと思っています。

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