JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

熱帯低気圧の爪痕

 2月19日にポンペイ島付近を通過した熱帯低気圧は、島内に少なからず爪痕を残していきました。島内の学校は、19日は全て午前中で切り上げて下校、20日は全日休校となりました。島内の様々なところで倒木があり、片道通行になっている道路もありました。同僚の家ではシャワー小屋が吹き飛ばされてしまって大変だと言っていました。風の強さから推測すると、おそらく19日の夕方ぐらいに熱帯低気圧の中心がポンペイ島を通過したよう感じました。ほぼ一日中停電で、洗濯や炊事が全くできませんでした。

 翌日、職場に行ってみると停電で、「今日は仕事にならないから帰っていい。」と言われました。仲の良い同僚に今回の熱帯低気圧のことについて聞くと、「このぐらいのものは数年に一度あるかないかのものだけど、子供のころはこんなことはなかった。この国に台風は来ない。何十年も前に一度来たときは、島中の木がなぎ倒されていた。最近の熱帯低気圧の発生は気候変動の影響もあるかもしれない。」と言っていました。

 18年前にマーシャル諸島に派遣されていた時も停電が珍しくありませんでした。その時は、一度停電になると長い時は2、3日停電が続くこともありました。それに比べて、ミクロネシアのポンペイ島は、頻繁に停電が発生するものの、数10分から長くても数時間で解消されるのでありがたいと感じていました。しかし、今日は熱帯低気圧の影響か、1日のほとんどが停電でした。18年前の停電のときにはロウソクのお世話になりました。一つではなかなか明るくならなかったので、火災に十分に注意しながら、複数個つけてしのいでいました。その時は、わずかな明かりを得るために、多少の暑さを我慢する必要がありました。しかし、今回は停電対策として日本から高輝度LED懐中電灯とニッケル水素電池を持参したので、その苦労を味わうことはありません。この懐中電灯を一つ天井に向けて設置しておけば、頑張れば読書ができるほど明るいのでとても役に立っています。日本から持参した様々なものの中で一番活躍しているかもしれません。

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