ライフ・オブ・カリビアン

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三浦 真依子
(東京都)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
中南米
セントルシア カストリーズ市
一言メッセージ
2016年10月から、カリブ海・日本から一番遠い島国セントルシアに来ています。10代の少女たちを対象とした保護更生施設で活動しています。

 

児童養護施設へ

2017.08.15

少女自立支援施設での活動

先週、国で唯一の

児童養護施設に行ってきました。

こちらも、私の配属先の少女保護更生施設と

関係が深いので、気になっていた施設。

この児童養護施設から

うちの施設に通っていた子は2人いたけれど、

脱走して行方不明になり、もうすぐ半年。

その前にいた子たち2人も

脱走したまま行方不明になってしまったらしい。

うちの施設職員は、

「この国の児童養護施設は10代に合ったものではない。

 ある程度の年齢になると、みんな脱走してしまう。」

と、言う。

大通りから裏道に入って、歩くこと15分。

日本の児童養護施設は、

HPに地図が載っていたりする。

一方、セントルシアの児童養護施設、

所在地や建物の外見は原則秘密にされている。

民家を装った、ひっそりとした佇まい。

鉄格子の入口に警備員が常駐。

犯罪者、特に悪い家族・親せきから、

子供たちを守るためだと言う。

施設では、副所長が色々話を聞かせてくれた。

今は、3歳~15歳の14人が在籍中。

施設自体は、設立から現在7年。

副所長は、色んなことをすごくオープンに

話してくださった。

「理想と現実のギャップが本当に大きい。

 職員もわかっていて、ジレンマを感じている。」

「今、私たちが行っている支援は、

 全く十分なものではなく、課題だらけ。」

「私たちは、このままではいけない。」

「私自身も、副所長、ソーシャルワーカー、

 レクリエーション企画調整、

 インターンやボランティアの受入、

 全てを担当していて、色々手がまわっていない…」

色々、大変なんだろうなぁ…。

圧倒的に、リソースが足りないかんじがした。

人、物、お金、職員の能力向上の機会…。

理想としては、児童養護施設での生活を通して

子供たちがエンパワメントされて施設を出ること。

ただ、現状なかなか難しいとのこと。

休日のレクリエーションと

放課後プログラムを強化したいということで、

何かできない?と言われた。

特に、学習支援は喫緊の課題らしい。

今まで学校に行ったことがなかった、

薬物依存の親の影響で脳にダメージを受けた、

なども原因で学校の勉強に全くついていけていない子が多いみたい。

とりあえず、週末に人を誘って何かやったり、

放課後支援に入ったり、何かしらしようと考え中…。

ただ、貧富の格差が非常に大きいこの国、

本当にやれたらいいなと思うのは、

現地の人が現地の人を支援する仕組み作り…。

教育を勉強する大学生や短大生を

児童養護施設の学習ボランティアに送り込めればいいけど。

このアイデアは自分の施設でも提案したけど、

所長や副所長の反応は鈍かった。

あまり、この国に馴染まないのかな…。

今度でも、とりあえず短大に出向いてみようかな?!

この児童養護施設は、私の配属先にとっても

パートナーのようなものなので、

今後も関わりを続けていけたらなぁと思います。