ライフ・オブ・カリビアン(三浦隊員は帰国しました。)

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三浦 真依子
(東京都)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
中南米
セントルシア カストリーズ市
一言メッセージ
2016年10月から、カリブ海・日本から一番遠い島国セントルシアに来ています。10代の少女たちを対象とした保護更生施設で活動しています。

 

演劇プロジェクト(②本番編)

2018.03.31

少女自立支援施設での活動

3ヶ月の準備期間を経て、

いよいよ本番の日がやってきました。

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あいかわらず当日も色々と起こります。

まず、主役の小学生が、学校に来ない。

担任の先生が家まで迎えに行き、ギリギリ到着。

担任の先生は、少しぐったり。

「彼女の家は問題があってね。

おばあちゃんが今日は彼女を学校によこしたくなかった。

本人は行きたいから可哀想よね。

電話じゃ埒があかないから、直接行って交渉してきた。

この仕事で最も神経すり減るのは、こういう部分(家庭との交渉)ね。」

一緒に住んでいる親や親戚が、

子供に家の仕事をさせたいなどの理由で

学校に行かせないことが、結構あります。

担任不在のため、午前中いっぱい子供は放置。

私の施設の少女が小学生を叩いて、小学生泣く。

校長が出てきて注意したが、少女の態度が悪く、校長怒る。

などなど、色々あってリハーサルはできませんでした。

いよいよ、本番の時間。

観客が講堂に集まります。

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施設少女による司会でスタート。

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舞台は現代。

2018年2月14日、灰の水曜日。

若者が踊って遊んでいるシーンで幕開け。

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そこに通りかかる、教会帰りのおばあさん。

「今時の若者はけしからん。

あんな格好で踊って。今日は灰の水曜日だと言うのに。」

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おばあさんの語りによる、

昔のイースターの回想シーンが始まります。

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四旬節(イースター前の40日間)のはじまり、

灰の水曜日は教会へ行きます。

四旬節は、キリストの犠牲を思いだし、

禁欲生活を送る期間なのです。

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家族で伝統的な食事を作って食べます。

実際に食べていた食べ物の紹介も。

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四旬節の始まりを噂する動物たち。

人々は肉を食べないため、動物は喜びます。

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人々は肉の代わりに魚を食べるため、魚はパニック。

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禁欲生活を送る人々。

そこに悪魔が現れ、誘惑します。

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悪魔の誘惑に負けて、禁欲生活をやめようとする人々。

鶏肉を食べようと、ニワトリを追いかけます。

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そこに天使が現れ、

「キリストの犠牲を思いだしなさい」と、

人々を諭します。

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改心する人々。

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舞台は再び、2018年に戻ります。

回想シーンを見た若者は初めて、

イースター期間に本来するべきことを知ります。

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今日は、イースターの日曜日。

人々は肉などのご馳走を食べるため、動物はパニック。

逃亡を企てます。

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最後は、登場人物全員が教会に集い、

イースターを祝うシーンで舞台は幕を閉じます。

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カーテンコール。

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イチから手作りした子供のユーモアセンス満載の劇は、

観客に大うけ。

終了後、観客の子供たちに

「イースターについて学んだこと」を

インタビューする小学校の校長先生。

劇を見ていた下級生たちに、

「みんなも、6年生になったらアプトンの皆と劇をするのよ!」

と、恒例行事にする方向で話しています。

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1人1人を舞台に上げ、賞状を手渡してくれます。

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一緒に頑張った、小学校の担任の先生と私。

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今回のプロジェクト、

子供がイチから作り上げたことで達成感があったし、

地域の老人ホームも巻き込めて、よかったかと思います。

主担当の私が外国人で、

イースターも現地語も知らないことが、

子供の主体性を引きだすのに役立ちました。

それに加えて、大きな成果のひとつは、

小学生の持つ少女自立支援施設に対するイメージに、

変化があったこと。

少女自立支援施設に対して、セントルシアの子供の多くは

「あそこは刑務所。あそこに送られたら最後。」

という風に、負のイメージを持っています。

したがって、施設に通う少女を外部の子供が見下したり、

少女本人が「施設にいる」という事実に失望して、

更生プログラムに集中できないことがあります。

それを受け入れて切り替えができると、

ぐっと更生が進むのですが。

通所型のため、この部分が課題です。

その点において、今回交流した小学生は、

何度も施設を訪れ(少女たちによる施設ツアーも実施した)、

施設が刑務所でなく、暖かい雰囲気の場所だと知ったと思います。

施設少女との絆も芽生えたし。

この学区の小学生本人または周りの子供の中には、

将来的に施設に通う少女が出てくる可能性が高いです。

施設に対する負のイメージを払拭できたのが、よかったかと思います。

私自身、このプロジェクトを通して一番実感したのは、

セントルシアのスラムは本当に大変だということ。

頑張る先生方に、頭が下がります。