ライフ・オブ・カリビアン(三浦隊員は帰国しました。)

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三浦 真依子
(東京都)

タイプ/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
中南米
セントルシア カストリーズ市
一言メッセージ
2016年10月から、カリブ海・日本から一番遠い島国セントルシアに来ています。10代の少女たちを対象とした保護更生施設で活動しています。

 

心に残った言葉~セントルシア生活を振り返って~

2019.05.24

世界日記の更新も最後ということで、

「セントルシアの2年間を振り返って」

というテーマで記事を書きたいと思います。

活動を応援してくださった皆様、

そしてこのブログを読んでくださった皆様、

本当に、ありがとうございました!

どんな風にまとめようかと考えましたが…。

「心に残った言葉」という切り口で、

2年間を振り返ろうと思います。

活動編:

・それは、あなたのエゴでしょう。

・あやまれば、いいのよ。

生活編:

・みんな、仕事はストレスよ!そのためにカーニバルがあるんだから!

・ウッキャーーーーー!!!!!

それでは、書いていきます。

まずは、活動編。

classroom.jpg

それは、あなたのエゴでしょう。

施設の職員会議での出来事。

ある先生が、こんなことを嘆きました。

「私はHちゃん(生徒)のためにこんなに一生懸命やっている。

それなのにHちゃんは拒否するし、変わらない。それが私のストレス。」

私も日々、この先生の優しさと苦労、

Hちゃんの態度(反抗と暴言)を見ているし、

自分自身もこうしたジレンマに陥るので、気持ちがわかります。

それに対して所長。

「私はこれだけしているのに相手が受け入れない、と言うのはあなたのエゴでしかない。あなたは親切を差し出すけれど、それを受け取るか受け取らないかは、Hちゃん自身が決めることでしょう。」

私は、これを聞いて心が楽になった気がします。

自分の親切を受け取るか受け取らないか決める権利は、

相手自身にあるということ。

(たとえ、自分の意見の方が世間的に正しいものだとしても。)

これは、この仕事以外でも、

全ての人間関係においてとても大切なことだと思います。

あやまれば、いいのよ。

これは、落ち込んだ時に同僚の先生からもらった一言。

私の算数の授業中、学級崩壊が起こります。

少女たちはよく、わからない問題などがあると

「あんたが間違ってる!」

「あんたの教え方が悪い!」

「あんたは史上最悪の教師だ!」

という風に私にキレることがあります。

個人指導の授業ですが、

この日はこれが3人徒党の「チーム逆ギレ」に発展。

私の気持ちは、この時点でうんざりしています。

そんなギャーギャーした声を後ろに、

淡々とBちゃんに割り算を教えます。

Bちゃん「それは先生が間違ってる!!」

私「いや、正しいやり方は、こうなの。」

Bちゃん「絶対違う!学校で、こう習ったもん!!!」

私「(疲れすぎて、つい本音)セントルシアの先生間違ったこと教えることあるから。」

Bちゃん「あ!!!セントルシア馬鹿にした!!!!!!」

既にガヤガヤしていた他の生徒たちもBちゃんに加勢。

こうして完全に崩壊状態のまま、クラスは終わります。

このクラスが終わって、「ズーーーーン」と暗くなっていた私。

セントルシアの学校の先生がよく間違った算数を教えるのは事実ですが

(たとえば、6÷36=6、3×0=3など、よく学校で目撃する)、

思わず口から出てしまった発言を心から後悔していました。

暗くなっている私を見た同僚の先生。

「そうしたら、あやまればいいのよ。人間は誰でも失敗したり間違ったりするもの。あやまって、やり直しすればいいの。私たち先生も自分が悪いと思った時は生徒にあやまる。私たち自らがその姿勢を見せることが、一番大切なのよ。」

そんな中、なんだか外から生徒たちの声が漏れ聞こえます。

クラスにいなかった3人が(先学期からいる子たち)、

クラスにいた3人(新入り)に事情聴取している様子。

「ミスマイコ暗いけど、あんたたちなんかしたの?!」

「え、それはあなたたちが悪いよ。あやまりに行きなよ!!」

放課後、算数の授業に出ていた3人が私のオフィスに来ます。

「ミスマイコ、ごめんなさい。」

私も生徒たちに謝ります。

「私も、ごめんなさい。」

この次の日、私は元から入っていた予定で仕事を休みました。

翌週、仕事に行くと、集まってくる生徒たち。

生徒「よかった…!ミスマイコ施設に来た!」

私「え?なんで?」

生徒「私たちのせいで、もう来ないかと思った…」

私「そんなこと考えてたの?そんなことないよ。」

同僚がいつも生徒に言うこの言葉;

「失敗は誰でもするから、謝ってやり直せばいいのよ。」

「完璧な人間なんて、いないんだから。」

この大切さと尊さを、実感した出来事なのでした。

また、生徒同士で「あやまりに行きなよ!」という言葉が出たこと、

これも、こうした施設の先生たちの教えが浸透しているからなのでしょう。

こうして思い返してみても、

本当に、経験豊富で素晴らしい同僚たちに

沢山のことを勉強させてもらった2年間でした!

次は、生活編。

みんな仕事はストレスよ!そのためにカーニバルがあるんだから!

IMG_4733.jpg

セントルシアには、1年に1回、カーニバルがあります。

ブラジルのカーニバルのように、羽をつけて街を踊り歩くもの。

参加費(衣装込み)は1~2カ月の給料分かかりますが、

みんな半年くらい前からコツコツと分割払いします。

老若男女、みんな体型や人目なんて気にせず、

「とにかく自分が楽しめればいい!」という心持ち。

私はセントルシアの友人たちと、

2年連続で衣装を着てカーニバルに参加しました。

カーニバルまでの時期も、事前イベントに参加したり、

小物を選んだり、メイクを考えたり、とても楽しいのです。

私が活動でストレスを溜めていた時、

現地の友達が言ってくれたのが、この言葉。

「マイコ、みんな仕事はストレスよ!そのためにカーニバルがあるんだから!一緒にはっちゃけよう!」

「そっか、仕事でストレスがあるのは、セントルシア人もみんな一緒だったー!!」

と、ハッとさせられたと同時に、

こんな風にセントルシアの友人が暖かく支えてくれて、

とても心が軽くなったのを覚えています。

ウッキャーーーーー!!!!!

言葉ではありませんが…。

これは何かと言うと、

セントルシア人の一般的な笑い方です。

悲鳴のような高音で、お腹をかかえて笑います。

日本でセントルシア人のように笑ったら、

「ちょっと頭おかしくなったんじゃないか」

と思われることでしょう。

セントルシア人は「笑う」というのが大好きで、

「全ての事柄を笑いに持っていく」という才能が

天才的だなと思います。

(そして笑いのツボが非常に浅い。)

一般的な日本人の、5~10倍笑っているかと思います。

結構悲しい話題も(事件や誰かの失敗とか)、

なんだか最後にはジョークになって、

みんなが爆笑して終わる、ということが多いのです。

「不謹慎」や「失礼」という概念が薄いように感じます。

仕事で、暗い話題で会議を終えた後も、

同僚たちが車に乗り合う時はコロッと気持ちが入れ替わり、

くだらない話題で「ウッキャーーー!!」と大爆笑。

意識的に笑いを大切にしているかんじもします。

私のバレーボールチームのSNSグループトークでは、

毎日のようにジョークや面白い写真を誰かが流してきて、

私も仕事の合間に見ては「ププッ」となっていました。

何かニュースが起こると(ハリケーン、国のえらい人の発言など)

それを面白おかしくいじった動画や画像が速攻で出回ります。

また、ノリツッコミの文化もある気がします。

教室に入った瞬間、生徒から振られることも。

生徒「ミスマイコが、トイレでゴリラみたいに脇の下かいてたよ!」←※虚言!!

私「ウホー(ゴリラの真似をして脇の下をかく)」

生徒たち爆笑。先生と生徒、よくあるやりとりです。

こんなのが、日常の風景だったりします。

これだけ笑っていると、悲しいことがあっても

気持ちが明るくなって爽快でいられて、

良いなぁと思ったものです。

以上、セントルシア生活の振り返りでした!

青年海外協力隊の経験で勉強させていただいたことを、

これから、仕事、ボランティア、社会生活、

色んな場所で活かしていければと思います。

今まで読んでくださった皆様、

本当に、ありがとうございました!