JICA海外協力隊の世界日記

Mori先生のLet's go! ヤップ島!

心に残る試みを

足元にご注目!!!

運動靴を持つ選手が増えました…という事ではなく、冒頭の選手が飛び越えているのは空き缶。

これは走幅跳の練習です。

陸上競技では「ミニハードル」という小さなハードルを置いて、それを何度も越えながら跳び上がりの姿勢づくりなどの練習を行うことがあります。

私が日本で経験してきたのはそうした練習でした。

ここヤップではミニハードルは無い…そんな時にふと目にしたのが沢山の空き缶や空きペットボトル。これを利用しない手はありません。

という事で、大人が大好きなおいしい泡の飲み物や、コーラ、水などの空き容器を再利用することにしました。

選手たちの発案で、容器の中に砂や水を入れれば風にも飛ばされないという発見が!

当たり前の事ですが…こうした発言が選手側から出てきたことに大きな意味があると思います。

「選手が主体となって工夫する」

これまでは受け身の姿勢だった彼らが、自分たちで何かを変えようとし始めていると感じます。

この写真は短距離走で用いるクラウチングスタートの練習の様子。

左の選手はこの日から練習に加わりました。それ故、スタート方法がよくわかっていません。そんな彼に右の選手が基本的な姿勢を教えています。

このブログで何度か書きましたが、今年7月に「マイクロゲームズ」という4年に一度の大きなスポーツ大会があります。

今、目前に迫ったその大会に向けて練習をすることはとても大切です。ですが、大会が終わり10月に私が帰国した後、頑張ってきた選手たちに何も残らなければこの期間の取り組みが今後につながりません。

帰国まで半年を切った中で「何をヤップに残せるのだろう?」と自問自答した際、やはり現地の人々の記憶の中に、この取り組みを残していくことが大切だと感じました。

ですから最近は全てを私が指示し、用意するのではなく、少しずつ選手主体で練習を進められるようにしています。

(もちろん技術的な助言や大切な事は伝えますし、身振り手振りで指導も継続します!)

4年後もまたマイクロゲームズがあるかもしれません。その頃、私はここを離れていますが、今こうして練習に来てくれている選手たちが、次はキャプテンや指導者としてチームヤップを支えてほしいと思います。そのときに今の取り組みがほんの少しでも思い出され、伝わるのであれば、私がヤップに来た意味があるのだと思います。

そう信じて指導をしています。

ハードル走は今までほぼ取り組まれていなかった種目です。写真の彼はひょっとしたら「初代州記録保持者」!?

今まで経験してこなかったことにも積極的に挑む。そんなチャレンジ精神を彼らと私で共有していきたいと思います。

まだまだハードルは高く、何度も越えねばなりませんが、熱いハートで立ち向かいます!

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