JICA海外協力隊の世界日記

Mori先生のLet's go! ヤップ島!

かけがえのないかけっこ授業に!

Run!Run!!

学校巡回での体育指導。11月と12月は陸上競技を指導する時期になっています。
私の主たる仕事が回ってきました。

陸上競技の魅力はルールがわかりやすく用具もあまり必要でない事。
どこでも取り組める競技だといえます。
このわかりやすさを「単純すぎる」と感じられてしまってはそれ以後の指導が難しくなります。
運動の得意な子ほど、張り合いがなく退屈してしまうことも…
指導に当たっては難しすぎず、飽きないように…という試行錯誤が続きます。

例えば音に合わせて素早く駆け出すゲーム。
子どもたちを「bird」と「butterfly」の二組にわけ、私が「bird」と言えばbird組が逃げてbutterfly組が追いかけるというゲームです。日本では「ネコとネズミ」というゲームとして取り組まれることもあります。
ときどき「ba..ba..barbecue!」「ba..ba..barber shop!」のように引っかけ言葉を入れて変化をつけると、子どもたちも「難しい」といいながら楽しんでくれます。
単純な反応だけでなく、別の予測も立てないといけない、頭も体も使うゲームです。

もちろん陸上競技の指導なのでフォームやスタート方法なども指導していきます。
45分という授業時間、出来る限り身体を動かす機会を作ることを前提に…
ただし炎天下、体力も集中力もあまり長続きしない様子。休憩を挟む頃合いも考えねばいけません。
子どもたちは「楽しい」と感じる内容ならば集中して取り組むようです。
これまでの球技と陸上競技を比べると、陸上競技に対する集中は低いというのが現実。
指導者として努力の余地がまだまだあります。

さて私の行う巡回指導という方法。
ヤップ島内のほとんどの学校を巡回でき、たくさんの子どもたちや先生方、さらには地域の方々と交流できる貴重な機会です。
(お陰様でヤップではかなり有名人になったのか、どこに行っても「モリセンセー」と声を掛けてもらえます!)

一方で各学校に週一回45分しか顔を出せないという難しさもあります。
子どもたちと私の相互理解、信頼関係の構築のためには充分な時間があるとは言い難い。

授業中に他の子を困らせたり、関係ない事をしたり、そういった子どもの様子を見た時には「ダメなものはダメ」と指導しなくてはいけないと思います。
授業を止めて注意した内容が子どもに理解されず、苦しい時間を過ごすこともあります。
現地流の授業の進め方、子どもの性格、言語面…いろんなことへの私の理解がまだまだ不十分なのかもしれません。

ただし「人に迷惑をかけない」という事や「一生懸命に取り組む」という事は伝えたいと思っています。
たとえ週45分であれ、みんなの貴重な時間を預かっている以上、伝える義務があると思います。
これは勉強やスポーツ、その他のこと関係なく、人に指導する機会をもらっている中でしなければならない事…

みんなの笑顔や真剣な眼差しから、思いは伝わると信じて!
私の45分が、かけがえのないかけっこ授業になると願って!

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