子連れジャマイカ滞在日記

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フィネルップ 尚子
(富山県)

タイプ/職種
シニア海外ボランティア
日本語教育
派遣国
中南米
ジャマイカ キングストン市
一言メッセージ
9歳の娘を連れてジャマイカに赴任し、大学で日本語を教えています。人手もお金も足りない大学で、安く効率的に日本語を学ぶ方法を模索しています。

 

ジャマイカお受験事情

2019.01.10

生活

 実は娘は受験生。先月、中学入試の一部にあたる大きな試験を終えて、ネグリルの海辺でくつろいでいます。ネグリルは、ジャマイカの西端に位置し、カリブ海に沈む美しい夕日を眺めながら疲れを癒すのにもってこいのビーチです。娘は笑顔を見せていますが、疲労でかなりやつれています。ジャマイカの中学校受験なんて、と最初はなめていたのですが、手ごわいです。有名進学校に入学すれば、アメリカのハーバード大などの一流大学への奨学金も用意されているため、受験戦争が激化する中で、知識偏重などの試験の問題点が指摘され始め、近年、試験制度の大幅な改革を経て、新試験が実施されることに!そして娘の学年(小6)は新試験の受験第1期生!!!新試験では、コミュニケーション能力、批判的思考、創造性が重視されることとなり、新試験に対応して、「教育大臣にジャマイカの頭脳流失を食い止める施策の提言をする手紙を書く」「大学生にジャマイカでの起業を勧めるスピーチをする」などといった、コミュニケーション能力や創造性が試される宿題が毎日出ます。放課後と週末に週4日の試験対策コースも開講されていて、同じクラスでこのコースを受講しないのは、ダンスコンテスト荒らしの小学生社交ダンサー、ディミトリ君と娘だけ。なにはともあれ、お疲れ様。

 受験生とはいえ、ジャマイカの学校ではイベントが盛りだくさん。写真は、先日娘の学校に演奏に来た、シルバーバーズというスチールパンのグループです。スチールパンは、ご存知の通りトリニダード発祥の楽器で、トリニダードでは、カリプソやソカというジャンルのゆったりした音楽が、独特のやわらかい音色で奏でられることが多いのですが、ここはジャマイカ。ダンスホールレゲエを中心としたジャマイカならではのレパートリーが、アクロバット的なブレイクダンスと組み合わされて炸裂します。このほかにも、動物保護団体が大蛇や巨大イグアナを連れてやって来たり、ジャマイカの人気ミュージシャン、ディンドンがサプライズ公演したり、ウサイン・ボルトが虹色のオーラを放ちながらお忍びで訪れ、瞬く間に子供たちに取り囲まれもみくちゃにされたりと、イベントが目白押し。

 授業でも、コミュニケーション能力と創造性が培われます。写真は、インターナショナルデイに、音楽の授業で練習した、ボブ・マーレーの代表曲『Redemption Song (救いの歌)』を、リコーダーで演奏する娘のクラス。この歌は、精神的奴隷状態からの解放と自由を求めるもので、リアーナやビヨンセ、ジョニー・キャッシュ、クリス・コーネル、ジョン・レジェンドなど多くの大物歌手もカバーしています。英語(日本でいう国語(ジャマイカでは授業は英語))の読解授業で歌詞を勉強した後だけあって、演奏中、自由についていろんな思いがこみ上げてくるのか、目に涙を浮かべる子供も。そしてそれが差別と闘ってきた父兄の、わが子の自由を希求する心の琴線に触れたのか、演奏後、全観客総立ち、拍手喝采のスタンディングオベーションがいつまでも続きました。