子連れジャマイカ滞在日記

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フィネルップ 尚子
富山県

タイプ/職種
シニア海外ボランティア
日本語教育
派遣国
中南米
ジャマイカ キングストン市
一言メッセージ
9歳の娘を連れてジャマイカに赴任し、大学で日本語を教えています。人手もお金も足りない大学で、安く効率的に日本語を学ぶ方法を模索しています。

 

馬には乗ってみよ

2019.06.28

文化 生活

 「乗馬は受験が終わったらね」、と娘をごまかしていたのですが、娘がこの約束を覚えていたので、(しぶしぶ)うちから30分位の乗馬クラブに行ってきました。娘が小さかった頃、中国の田舎で暮らしていたのですが、近所に乗馬クラブがあり、そこの経営者のお嬢さんと娘が仲良しだったので、よく週末にタダで乗馬をさせてもらっていました。その後北京に引っ越して、そしてジャマイカに来て、もう何年も乗っていなかったのですが、昔取った杵柄で、常歩((なみあし)ゆっくりと歩くこと)から速歩((はやあし)馬が右前肢と左後肢、左前肢と右後肢を対にして、2拍子でパカッパカッと早く歩くこと)までスムーズに移行。それもそのはず、この馬、ブルーは初心者向けで、やさしくておだやか。静かに言うことを聞いてくれました。

 レッスン前には、写真のように、馬のグルーミングをして、馬と心を通わせます。気持ちよさそうに目をトロンとさせる白馬、ライド・ザ・ウエーブ(Ride The Wave: 「成功と幸運を楽しむ」という意味)。その名のとおり、ゆったりと安定した馬で、初心者向け。この乗馬クラブの指導員は、ほぼ全員イギリスから客員として来ている有資格者で、オリンピック出場経験者もいます。彼らが乗り手と馬をよく見て、乗り手の技能に合わせて色々な馬に乗せてくれます。娘の指導員、ローレンさんも、小柄でやさしそうな外見とは裏腹に、20代にしてすでに完全無欠のプロ。この馬をとろけさせるグルーミングも、ローレンさん直伝。レッスンでは、どうしてこうなっちゃうの、というとき、さっと問題を見つけて解決方法を教えてくれるので、どの子もレッスン後にはさっそうと馬を操れるようになっています。

 レッスンの後に、娘から労いの言葉をかけられながら、水浴びをしたり水を飲んだりして、リフレッシュするライド・ザ・ウエーブ。さっきのトロンとした目とは大違いのつぶらな瞳です。「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」とはよく言ったもので、いい馬かどうかは乗ってみないと分かりませんし、人も付き合ってみないと分かりません。いろんな馬に乗って、馬の個性や気分が分かるようになって、ますます乗馬が好きになった娘。娘の乗馬仲間の多様な生き方を見て、つくづく、「人には添うてみよ」と思うようになった私。娘の乗馬仲間で、フランス人の母とドイツ人の父を持ち、生まれはパリで育ちはドイツとニューヨーク、今は両親の離婚で父とジャマイカで暮らしながら、アメリカのビザが下りるのを待っているという子がいるのですが、最初、両親に振り回されるかわいそうな子にしか見えなかったこの子が、親しくなるにつれ、環境に柔軟に対応できる可能性を秘めた子と思えてきました。何事も経験して確かめてみると、発見がありますね。