子連れジャマイカ滞在日記

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フィネルップ 尚子
(富山県)

タイプ/職種
シニア海外ボランティア
日本語教育
派遣国
中南米
ジャマイカ キングストン市
一言メッセージ
9歳の娘を連れてジャマイカに赴任し、大学で日本語を教えています。人手もお金も足りない大学で、安く効率的に日本語を学ぶ方法を模索しています。

 

ジャマイカ・ラムフェスティバル

2019.04.06

人 文化

 週末に、第一回ジャマイカ・ラムフェスティバルに行ってきました。場所はホープガーデン(写真はホープガーデンのホームページより)。ホープガーデンは、植民地時代に建てられたイギリス人のホープ氏の豪邸を国立植物園にしたものです。この、色鮮やかなカリブの花が咲き乱れるカリブ最大の植物園で、老舗ラム蒸留所、アップルトン・エステートをはじめとする様々なジャマイカのラム蒸留所で作られたラムの試飲・販売が行われました。ジャマイカ料理の試食・販売、ジャマイカの工芸品の販売も行われ、そして当然、ジャマイカを代表するバンドのライブミュージックが会場を盛り上げます。

 ラムは、人間の業と欲の産物と言われます。ヨーロッパからアフリカに武器や綿織物を輸出し、アフリカからカリブに奴隷を連行し、カリブで砂糖を生産させヨーロッパに輸出するという、三角貿易を支えたのは、奴隷のエネルギー補給として、そして奴隷を御しやすくするために奴隷が飲まされたラムだったそうです。ラムは、砂糖の製造過程でできる砂糖にならない部分(糖蜜)を発酵・蒸留して作られます。かつて奴隷と海賊の飲み物だったラムは、品質もイメージも向上し、今や、マドリッド、パリ、ベルリン、ロンドン、マイアミなどでも国際的なフェスティバルが開催されるようになりました。そしてジャマイカでもラムフェスティバルが開催され、ジャマイカ人がジャマイカのラムを誇りをもって味わうようになりました。写真は、フェスティバル会場の高級ラムバーでくつろぐジャマイカ市民。

 世界のラムの生産地は、原料のサトウキビの生産とその発酵に適した気候のカリブ・ラテンアメリカ地域に集中していますが、ジャマイカのラムは独特の製法と強い個性のある味で他の追随を許しません。ジャマイカ最大手かつ創業1749年、世界で2番目に歴史のあるラム蒸留所、アップルトン・エステートの世界シェアは1%強にすぎず、歴史では世界最古のラム蒸留所、バルバドスのマウントゲイに、そして知名度や生産量ではプエルトリコのバカルディやキューバのハバナクラブなどにかないませんが、数々のコンテストでの受賞歴に示されるその品質で、ラム好きを魅了し続けています。その品質の担い手は、この人、西インド諸島大学(UWI)出身のマスターブレンダー、ジョイ・スペンス(写真はインディペンデント紙に掲載された記事の写真のスクリーンショット)。世界で唯一の女性マスターブレンダーです。会場では、彼女が作り出した12年物、30年物、ジャマイカ独立50周年記念50年熟成ボトル、アップルトン・エステート創業250周年記念ボトルなど、様々なラムの試飲・販売が行われました。彼女のセミナー「ボトルの中 (Inside the Bottle)」も開催され、参加者はラムがどのように作られるかも学びました。昨年末に科学技術の分野で女性として初めて首相賞(日本の内閣総理大臣賞にあたります)を授与され、高校の化学の教師だった経験を活かして、「化学への情熱」を萌芽させる化学教育にも乗り出すとメディアに宣言した彼女。最近メディアへの露出が増えている彼女ですが、ダンス好きでUWI時代はカーニバルクイーンだったとか。陽気で朗らかで、聞き手を包み込むような包容力のある語りで、彼女のセミナーは大盛況だったそうです。私は娘のお友達の誕生会に行っていて遅刻し、セミナーを逃してしまいましたが、近々アップルトン・エステートに行って、セミナーを受講する予定です。