JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「私は口うるさいおじさん」

幼稚園が長期休暇に入っているため、

現在の活動のほとんどがタリベを対象にした活動である。

(タリベを紹介した記事→http://world-diary.jica.go.jp/nishimura/activity/post_25.php)

タリベを対象にした路上でのお絵かき教室、工作教室は、

基本的に不定期開催だが、開催頻度が増えている。

買い物のために市場へ行くとき、

タリベに「今日、工作やろうよ」と

声をかけられることが増えてきたためである。

幼稚園での活動があるときは、

幼稚園での活動やその授業準備が優先されていたし、

空いた時間はタリベ支援センターでの活動か

タリベの生活の基盤となっているダーラでの活動にあてていたため、

路上でのお絵かき教室、工作教室は、

充分に開催することができていなかった。

現在は、時間に余裕がでてきたため、

その分、タリベたちと路上でのお絵かき教室、工作教室を

楽しめるようになった。

広い空の下で子どもたちと絵を描いたり何かを作るのは、

私にとってもとても楽しいひと時で、

いつもあっという間に時が過ぎてしまう。

タリベたちと工作をしていると、

ハサミの持ち方、ボンドの塗り方、ペンを使った色の塗り方など

何をとっても経験不足を感じてしまう。

日本では幼稚園や学校、地区センターなどの地域の施設でも、

もちろん家でも工作など何かを作る機会が多い。

しかし、セネガルではなかなかそのような機会がない。

空き箱など工作に使えるものも普段の生活でなかなか出ない。

野菜や魚、肉もパックなどに入れられずに売られているし、

基本的に包装されていない。

クレヨンなども決して安くはなく、

子どもたちが自由に絵を描ける環境でもない。

色鉛筆は比較的手に入りやすいが、

質は悪く、すぐに折れてしまったり、

濃く塗ったりすることができない。

タリベたちとお絵かきや図工を楽しんでいるとき、

彼らの作業を見ながら、

「それじゃ指切っちゃうよ~!」

「あ~ボンド塗りすぎ~!」

「ペン先が痛むよ~!」

「あぁ、もったいないよ~!」

と、ついつい言葉で伝えてしまう。

いちいちうるさいオジサンになってしまうのだ。

タリベたちは私に声をかけられる度に

手を止めなくてはならない。

「うるさいなぁ」なんて思っているに違いない。

作ること、想像すること、

お絵かきや工作を通してたくさんワクワクしてほしいし、

とにかく自由に楽しんでほしいと思っているのだが、

いつも「ちょっと待った!」とやってしまう。

もちろん安全面の配慮は必要だけれど、

ペン先がつぶれちゃうことも学びになるし、

ボンドを使いすぎたってどうってことないし、

もっとどっしりと構えていたい今日この頃だ。

もっと大らかでいたい。

見守ることは、想像以上に難しい。

私の口癖は子どもたちの口癖でもある。

多くのタリベが私のもとへ出来上がった作品を持ってくるとき、

日本語で「いいじゃん!」と満面の笑みで言いながら見せてくる。

そんな彼らの笑顔を見ると

こちらまで満面の笑みになって「いいじゃん!」と言ってしまう。

彼らの口癖は、「いいじゃん」だけではない。

というより、口癖ではなく、

ただ私の真似をして面白がっているだけなのだが…、

「なんていうかな~」と言いながら頭を触ったり、

電話の音が鳴ると、「もしもし、もしもし」って言ったり、

よく見ているし聞いていると感心してしまう。

私の口癖を真似してくる子どもたちは可愛いのだが、

それまで覚えたのか?!と思ったのは、

「簡単折り紙大百科」である。

これは、私がいつも持ち歩いている本で、

その名のとおり、折り紙の折り方が簡単に折られるよう

丁寧に書かれている。

朝、道でタリベに会ったときに、

タリベ:「おはよう」

私  :「おはよう」

タリベ:「簡単折り紙大百科」

私  :「簡単折り紙大百科」

のような、やり取りが成立してしまうのだから面白い。

「簡単折り紙大百科」は、もはや合言葉のようだ。

雨季に入って、じめじめした嫌な暑さになってきたけれど、

子どもたちと楽しいひと時を過ごしていきたい。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ