JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「何色が好き?」

子どもたちと絵を描いていると、

黄色、緑、赤の3色が必ず登場する。

絵の背景に使われることも多いこの3色は、

セネガルの国旗に使われている色である。

セネガルの子どもたちに「好きな色は?」と聞くと、

この3色のどれかを答える子どもが多い。

日本の子どもたちに、「好きな色は?」と聞いて、

「赤と白、だって日の丸がそうでしょう?」と言う子どもは

なかなかいないのでは。

セネガルでは、

幼稚園の塗り絵でも国旗を取り上げる先生方はとても多く、

未就学児向けの教材本にも国旗の色塗りが必ずと言っていいほどある。

幼稚園や小学校の校舎に国旗掲揚の絵がある学校も珍しくない。

国旗はセネガルの人たちにとってとても身近なもので、

そしてとても大切にしているものなのだと思う。

子どもたちにとっても同じだ。

テーマを決めずに自由に絵を描こうという日、

セネガルの国旗を描く子どもがいるし、

几帳面に定規を使って線を引いてから色を塗っている。

少しでも線が曲がってしまうと、丁寧に消しゴムで消し、

線を引きなおす。

タリベとのお絵かき教室は、回数を重ねるにつれて、

子どもたちの色遣いが鮮やかになり、

背景までしっかり塗るようになった。

絵を描きながらその世界に入り込む子どもが数名であるが出始めていて、

ストーリーを口に出しながら絵を描く子どもや

登場する人間や動物のセリフを考えている子どもがいるのだ。

以前は、ただ塗る、ただ描く、と単純なものが多かった印象なのだが、

子どもたちが絵で表現する楽しさを実感し、

その表現する力がついてきたのではないかと思う。

そして、子どもたちの想像力はとても素晴らしいもので、

子どもたちの持つ力をもっともっと引き出したい、伸ばしたいと思う。

本当は、絵本の読み聞かせなどもしたいと思うのだけれど、

現地語であるウォロフの絵本はほとんどなく、

フランス語の絵本はとても高価で簡単に購入できる値段ではない。

フランスで買ったほうが安いのだ。

幼稚園でもクラスが始まった。

1年目と同じシテニャフ幼稚園での活動である。

幼稚園での活動に先生方はとても協力的で、

情操教育への予算確保に向けても少しずつ動き出している。

とは言っても、現在、園に電気は来ておらず、部屋は真っ暗。

窓を開けたら太陽の光で明るいが、

曇っている日は手元が見えないこともある。

雨季がきたら雨漏りするため、掲示した作品は汚れてしまう。

40人の園児に机と椅子は6個ずつ。

お金があれば買いたいもの、直したいところがたくさんあるのが現実だ。

幼稚園を管轄している教育委員会は、

幼稚園よりも小学校の整備を優先しているようで、

なかなか予算もまわってこない。

お金でない支援も大切であるけれど、

お金がないと解決できない問題もある、

と実感している。

2年目の今年は、クラス補助をしながら、

園の運営面でもなにか力になれたらと思う。

子どもたちと過ごしている先生方の考えを、想いを、

現場の声を、

"お偉いさん方"に伝えていこう。

それにしても、

なんでこんなにも子どもたちは可愛いのだろうか。

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