JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「土いじり」

学校菜園をやりたいなぁと思っていたら、もうセネガルに来て1年半。

残りの任期では半年。

活動先のシテニャフ幼稚園で新たに学校菜園を始めるのは難しいので、

幼稚園の近くで学校菜園をしている小学校の校長先生に

お手伝いをさせてもらえないかとお願いし、

今日から1カ月に3回、野菜のお世話をすることになった。

年少、年中、年長各クラスが1カ月に1回学校菜園へ出かける。

学校菜園で育てている野菜は、

トマト、レタス、きゅうり、ミントである。

どの野菜も任地サンルイの市場に並んでいる野菜であるが、

食卓に並ぶ野菜とは言い難い。

セネガルにはアタヤという

砂糖をたくさん入れ甘くして飲む紅茶があるが、

そのアタヤにミントを入れて飲む人はいる。

しかし、子どもたちはアタヤを飲まないため、

学校菜園の野菜は、子どもたちにとって身近であり、身近でない。

サラダなど生野菜を食べる機会も少ない。

お祝いの席で、メイン料理のお皿の端に少しあるくらいだ。

学校菜園の初日である今日は、

菜園の中を子どもたちと探検してみる。

まだ熟していないトマト、収穫時期のレタス、きゅうり、

どれを見つけても、子どもたちは嬉しそうである。

生き物に出会う場面もたくさんあった。

葉の裏にいる虫を発見したり、

熟していないトマトを食べた虫に「おいしくないよ」と言ったり、

ほかの木の葉と比べて、レタスだけ食べるのはなんで?と質問したりする

可愛らしい子どもたちを見ていると、

子どもたちの観察力や想像力はすごいなぁと思う。

学校菜園では、土に落花生の殻をまぜている。

肥料として土に混ぜるらしい。

その量も多く、

落花生の殻から野菜が生えているようにも見えなくない。

落花生はセネガルで多く栽培されていて、

道端で炒った落花生がよく売られている。

小腹がすいたときに落花生、という人もいて、

毎日少しずつ殻を集めたそう。

先生方が子どもたちに一つ一つ説明していく。

子どもたちは、うなずいたりぼーっとしたり、拍手したり、

子どもたちの反応は様々だけれど、それぞれが楽しそうであった。

子どもたちは、この菜園で水やりのお手伝いをする。

菜園の掃除もするだろうし、収穫もお手伝いできたらいいなと思う。

セネガル、アフリカと言えば、

多くの人が自然の中で生活を営んでいると思うかもしれない。

たしかに、手つかずの自然の残る地域もあるけれど、

都市化が進む中で、自然と離れて生活をしている人もいる。

道端で土埃を気にせず

日が暮れるまでサッカーをする子どもたちもいるが、

親のスマートフォンを借りてゲームする子どもたちもいる。

海のある町だけれど泳いで遊ぶ子どもたちは少ない。

私の任地サンルイは、サハラ砂漠の砂が舞うなどし、

自然と言えば砂である。

緑の自然は身近になく、郊外に畑はあるものの、

畑で土いじりをする子どもも少ないのが現状だ。

テレビを見る機会も少なく、絵本を読む機会も少ない子どもたち。

両親の多くが学校へ行ったことのない人たち。

少しずつ、様々な経験を、体験を子どもたちに届けたい。

そこから少しずつ学びにつながっていけばいいと思う。

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